ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

不動産所得における事業的規模

さて、今回はよくある勘違いをお話したいと思います。

タックスプランニングや不動産で「不動産所得」を学習しますが、その際に、
「事業的規模(5棟10室以上)」という言葉が登場します。
これらの関連性をよく勘違いしている受講生がおられます。

不動産を貸し付けて収入を得ていれば、その収入は不動産所得として
扱われますが、その貸付の規模によって不動産所得になるとか、ならない
といったことはありません。
部屋1室を貸し付けていようが
事業的規模で10室貸し付けていようが、どちらも不動産所得になります。

では、「事業的規模っていつ何に関係するの?」って話です。

青色申告により不動産所得の申告をする場合に、事業的規模であれば
青色申告特別控除が65万円になり、事業的規模に満たなければ10万です。

それから・・・
例えば、家賃収入の中から、生計を一にする親族に対して給与を支払っている場合
その給与は、必要経費になりません。
でも、必要経費にしたいという場合は、
その給与を青色事業専従者給与扱いにすればいいのです。
つまりそのお金は、事業を行うために支出したお金と解釈されます。
しかし、なんでもかんでも青色事業専従者給与になるわけではなく
例えば、1室しか貸し付けていないのに給与として身内に30万円払っていたらそれは妥当性に欠けるので、届出をしても却下されるでしょう。
つまり、事業的規模で不動産の貸付を行っていることが要件となるわけです。

青色事業専従者給与は、青色申告することが前提です。
そして、この「青色事業専従者給与」扱いにするためには、事前に届出を行います。

ちなみに、青色事業専従者給与で給与の支払いを受ける場合は、
配偶者控除や扶養控除の対象とはなりませんから、注意が必要ですね。