ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

ノーロード型の投資信託について

皆さん、こんにちは。
講師の伊藤です。
今回はコンプライアンスについて考えていきましょう。投資信託に関するコンプライアンスその①を検討していきます。さて、次の話の内容は問題があるのでしょうか?ないでしょうか?

『ノーロード型の投資信託は手数料が無料ですからお得です』

ノーロード型の投資信託とは、販売手数料が無料な投資信託をさします。最近では、ネット証券を中心に、ノーロード型の投資信託を取り扱う金融機関が増えてきています。

一般的に、投資信託にかかる費用は、購入時、保有時、換金時にかかるものに大別できます。投資信託を購入する際には、証券会社や銀行等の販売会社に支払う費用として販売手数料がかかります。保有時には、投資信託保有額に応じて日々信託報酬がかかることとなり、原則決算ごとには監査報酬も必要となります。また、投資信託が投資する株式や債券の売買には、売買委託手数料もかかってきます。換金時には、信託財産留保額や解約手数料がかかることもあります。

あくまでもノーロード型の投資信託は、販売手数料が無料であって、他の費用まで無料というわけではありません。上記表現では、顧客に「手数料は一切かからない」と誤認させるおそれがあるのです。また、販売手数料が無料であるからといって「お得」というのは表現として適切ではないといえます。

ノーロード型の投資信託は、販売手数料が無料な分、投資を行う際に運用上効率的であるという点は評価できますが、必ずしもすべてのノーロード型の投資信託が同種の他の投資信託と比較して運用パフォーマンスがよいとは言えないのが実際のところです。

皆さんも投資信託の説明を行う際には、手数料以外にも過去の運用パフォーマンスや投資信託の運用方針なども理解し、比較検討すべきであることを話すとよいといえます。

<予想問題>
3級・2級受験者、いずれも解いてみてください。
次の各文章を読んで、正しいものまたは適切なものには①を、誤っているものまたは不適切なものには②を、解答用紙にマークしなさい。
【問題1】
パッシブ型投資信託は、運用成果がベンチマークの収益率からかい離するほど、運用成果が優れていないと判断される。

<解答> ○(①)
パッシブ型投資信託は、インデックス型投資信託ともよばれ、目標とするベンチマークの値動きと同程度となるように運用される投資信託の一種です。運用成果がベンチマークの収益率から乖離するほど、運用成果は劣ることになります。

【問題2】
個人向け国債の募集条件や中途換金時の換金金額は、取扱金融機関によって異なる。

<解答> ×(②)
個人向け国債の募集条件や中途換金時の換金金額は、どの取扱金融機関でも同じです。なお、満期時には国(政府)により元本が保証されており、金利も最低保証があるのが特徴となります。

いかがでしたでしょうか?金融の問題ですが、知っておいてほしい内容から出題してみました。
それではまた次回、お楽しみに★