皆さん、こんにちは。
講師の伊藤です。
今回は投資信託の疑問についてお答えしていきたいと思います。投資信託のリスクってどうなんでしょうか?
投資信託は、お客様が投資する資金を投資のプロであるファンドマネージャーが運用し、利益を還元する仕組みです。投資のプロが運用するとはいえ、預貯金のように安定確実に収益を得られるものではありません。つまり、リスクが存在することになります。
投資信託におけるリスクには、主に「価格変動リスク」、「金利変動リスク」、「信用リスク」、「為替変動リスク」といったものがあります。
価格変動リスクとは、投資信託が運用する株式や債券などの価格が変動する可能性をさします。例えば、株式の場合、需要と供給の関係で価格が変動します。これは、企業業績や経済・政治情勢が影響を与えます。
金利変動リスクとは、金利が変動する可能性のことをさします。一般的に、金利が上昇すると債券価格は下落し、金利が下落すると債券価格は上昇する関係にあります。また、満期までの期間が長い債券ほど金利変動の影響を大きくうけるといえ、価格に影響を与えます。
信用リスクとは、債券などを発行する国や企業等が、利子や元本を支払うことができなくなる可能性をさします。このリスクを測る物差しとして「格付け」があり、格付け会社各社によって表記の仕方は若干異なりますが、例えばS&P社の場合、最も格付けが高いケースを「AAA(トリプルエー)」、債務が不履行となった場合などに「D」と評価をしています。
為替変動リスクとは、為替の動きによって円換算時の資産価格が変動する可能性をさします。海外株式など海外資産で運用する投資信託では、株式などの資産価格変動の他に、為替変動も生じます。そのため、円高かつ株安となった場合などには、資産価格、為替の両面から損失を被る可能性があります。なお、投資信託の中には「為替ヘッジあり」という、為替変動リスクを低減する手段を講じているものもあります。
この他、売却または購入したいときに需給の関係で売買できないといった「流動性リスク」といったリスクも存在します。
こうしたリスクは、投資信託の種類や投資対象によって異なります。例えば海外債券に投資する投資信託の場合には、価格変動リスク、金利変動リスク、信用リスク、為替変動リスクのいずれも伴うことになります。そのため、投資信託購入前に、どのようなリスクが存在しえるのか、また現状の経済・政治情勢からしてどの投資信託が魅力があるのか、しっかり理解しその時々の情勢に応じた適切な運用ができることが重要といえます。
<予想問題>
3級・2級受験者、いずれも解いてみてください。
次の各文章を読んで、正しいものまたは適切なものには①を、誤っているものまたは不適切なものには②を、解答用紙にマークしなさい。
【問題1】
ファイナンシャル・プランナーがライフプランニングにあたって個人顧客のバランスシートを作成する場合、バランスシートに計上する有価証券の価額については簿価、生命保険については作成時点の解約返戻金相当額を使用する。
<解答> ×(②)
バランスシートに計上する有価証券の価額については時価で記入します。2017年5月FP3級試験を改題した問題です。
【問題2】
社会保険労務士資格を有しないファイナンシャル・プランナーのCさんは、顧客から老齢基礎年金の繰下げ支給をした場合の年金額を聞かれ、66歳から70歳までの間に繰下げを行った場合の年金額を試算し、説明した。
<解答> ○(①)
年金額の試算を社労士でなくとも行えます。なお、年金の裁定請求は社労士の業務です。2017年5月FP2級試験からピックアップしてみました。
いかがでしたでしょうか?最新の過去問からピックアップしてみました。しっかりおさえてください。
それではまた次回、お楽しみに★