ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

皆さん、こんにちは。フォーサイトFP講師の伊藤亮太です。前回に続き、投資信託のコストについて説明します。

■信託報酬などは、運用会社など様々な会社がかかわる点を説明する

保有時にかかる手数料には、運用管理費用(信託報酬)、監査報酬、売買委託手数料があります。これらは、投資信託に関わる会社に支払われる費用です。お客様には、投資信託を運用する会社として投資信託委託会社があること、投資信託の信託財産を管理する信託銀行がいること、投資信託も監査法人などの監査を受ける必要があることなどを説明しましょう。こうした費用は無料なわけないことは理解していただけると思います。

この信託報酬など保有時にかかるコストは、投資信託ごとに異なるため、実際に購入を検討されている投資信託ではどの程度かかりそうか説明できるようになりましょう。例えば、少し知識のあるお客様においては、いかにコストをかからずにしたいか? そうした視点からお聞きになる方もいると思います。その際に、同じ投資信託であればどこで買っても信託報酬は同じであることを説明しましょう。もちろん、同じ種類の投資信託の場合には、同じような運用を行っていたとしても、信託報酬は異なります。そのため、運用内容はもちろんのこと、手数料面でもどちらが安いかなど説明することも意義のあることだと思われます。

いずれにせよ、様々な会社の働きにより投資信託は出来上がっている点を説明し、信託報酬をはじめとした保有時にかかるコストを理解してもらうことが大切です。

■換金時にもコストがかかるケースを説明しよう

もう一点、換金時にかかることも説明しましょう。換金時には信託財産留保額がかかる場合もあることはご存じなはずです(勉強していれば)。ややこしいのが、信託財産留保額はかかる場合とかからない場合があること。そのため、保有されている投資信託やこれから購入を検討されている投資信託においては信託財産留保額がかかるのかどうか説明する必要があります。

そして、これはなぜかかるのか? という説明も必要です。このコストは決して販売会社が受け取るものではありません。また、お客様が別途支払うわけではなく、換金代金から差し引かれることになります。信託財産留保額は、投資信託を保有し続ける他の投資家に迷惑がかからないようにするためのコストです。換金したい場合には、運用する資産を売却する必要があり、その結果同じ投資信託で運用する他の投資家に影響を与えかねないためです。ペナルティというと語弊があるかもしれませんが、他の方のことも考慮してコストがかかるようになっていますとお伝えすれば納得されることでしょう。

以上、3つの視点から投資信託のコストについてお客様へ伝えるべき点を解説しました。なぜコストがかかるのか? その目的がわかれば、より気軽に投資信託での運用を検討していただけるのではないかと思います。

何事もそうですが、丁寧に説明すること。投資信託も提案時、運用時のフォローだけではなく、コストの面からもしっかりしたアドバイスに努めることがなっていただけるとFPとして一人前です。

<過去問題の演習>

3級・2級受験者、いずれも解いてみてください。

次の問題に答えなさい。○✕問題

【問題1】

借地借家法において、事業用定期借地権等は、専ら事業の用に供する建物の所有を目的とするものであり、居住の用に供する建物の所有を目的として設定することはできない。

<解答> 〇

事業用は事業の用にしか利用できません。

【問題2】

都市計画法において、市街化区域内で行う開発行為は、その規模にかかわらず、都道府県知事等の許可を受けなければならない。

<解答> ×

市街化区域の場合には、1,000㎡を超える開発行為では許可が必要となります。

いかがでしたでしょうか?

それではまた次回、お楽しみに★