行政書士講座の講師ブログ
フリーランス保護法

皆さん、こんにちは!
フォーサイト専任講師・行政書士の福澤繁樹です。

今回は、先ごろ成立・公布された「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(令和五年法律第二十五号」、いわゆる「フリーランス保護法」の概要を見ていきたいと思います。

2023年2月24日、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律が国会に提出され、同年4月28日に成立しました。
現在のところ施行日は未定ですが、遅くとも2024年秋頃までには施行されるといわれています。

まずは、この法律の目的条項をみていきます。

・第1条
この法律は、我が国における働き方の多様化の進展に鑑み、個人が事業者として受託した業務に安定的に従事することができる環境を整備するため、特定受託事業者に業務委託をする事業者について、特定受託事業者の給付の内容その他の事項の明示を義務付ける等の措置を講ずることにより、特定受託事業者に係る取引の適正化及び特定受託業務従事者の就業環境の整備を図り、もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

目的にもありますが、働き方の多様化を後押しするために、フリーランス(法律では「特定受託事業者」と定義されています)の保護をすることを目的とした法律となっています。

フリーランスすなわち「特定受託事業者」とは、法律では、以下のように定義されています。
1、個人であって、従業員を使用しないもの
2、法人であって、一の代表者以外に他の役員(理事、取締役、執行役、業務を執行する社員、監事若しくは監査役又はこれらに準ずる者をいう。第六項第二号において同じ。)がなく、かつ、従業員を使用しないもの

つまり、個人事業主か法人成りしているので会社の形態をとっていても実質は個人事業主のような会社を指しています。

このようなフリーランスの方は、一人で収入を得るために委託者との間で請負契約や業務委託契約を締結して業務を受注し、労働基準法などの労働関係法令が適用されないという特徴があります。
そこで、この法律では、書面等での契約内容の明示、報酬の60日以内の支払い、フリーランスが不利益を受けないように委託事業者が遵守すべき禁止事項を定めること、委託者側はフリーランスがハラスメントで困ることがないようにフリーランスからの相談に応じ、適切に対応するために必要な措置を講じる義務が定められています。

このような法律を通して、日本の労働市場も刻々と変化していくのではないかと実感しています。

今回は、このへんで。