行政書士講座の講師ブログ

連帯債務の成立

今回は、連帯債務の成立についてお話します。
意外に、この点についての質問が多いと感じますので、改めてお話します。

そもそも、連帯債務とは、複数の債務者が、同一内容の給付につき、
各自独立して全部給付すべき債務を負い、
そのうちの1人または数人が全部の給付をすれば総債務者の債務が
消滅するという多数当事者の債務をいいます。

例えば、ABCの3人が共同で、Dから300万円の融資を受け、
その際、その債務を連帯債務とすると契約したような場合が典型例です。

この場合、連帯債務者ABCは各自が独立して300万円全額の弁済義務を負い、
債権者Dは連帯債務者ABCに対して同時または順次に
全部または一部の履行を請求することが可能です。

そして、連帯債務者のうちの誰か(1人でも複数でもよい)が
全部の履行をすれば他の連帯債務者の債務もすべて消滅します。

このような連帯債務の成立については、
まず、当然に、連帯債務者となる者全員と債権者との1つの契約によって
連帯債務を成立させることが可能です。

次に、連帯債務は、各連帯債務者と債権者との、
それぞれの個別の契約によって成立させることもできます。
この点が、抜けやすい部分です。

例えば、まずAB間で貸金債権債務関係を成立させ、
そののちに、AとCの間で貸金債権債務契約を締結します。
そして、BCとAでBCの貸金債務を連帯債務とする合意をすることでも連帯債務は成立します。

このように、連帯債務の間にも、成立時期に差異があるので、
各債務の消滅時効の起算点が異なる場合もありえるのです。