行政書士講座の講師ブログ

働き方改革実現会議

みなさん、こんにちは。
フォーサイト専任講師の福澤です。

学習の進み具合はいかがですか?
どんどん進んでいきましょうね。

今回は、2016年9月26日に内閣総理大臣決裁により設置された内閣総理大臣(第97代)・安倍晋三の私的諮問機関である「働き方改革実現会議」が、
平成29年3月28日に決定した、働き方改革実行計画から、その概要を一部ご紹介したいと思います。

この計画の冒頭に、(2)今後の取組の基本的考え方、という項目があり、そこには、このように記されています。

「働き方改革は、社会問題であるとともに、経済問題であり、
日本経済の潜在成長力の底上げにもつながる、第三の矢・構造改革の柱となる改革である。」

ちょっと長くなりますが、以下にこの意味を詳細にご紹介します。

「日本の労働制度と働き方には、労働参加、子育てや介護等との両立、転職・再就職、副業・兼業など様々な課題があることに加え、労働生産性の向上を阻む諸問題がある。」

まず、このように述べて、その諸問題が紹介されます。

その1つ目は、正規と非正規の格差です。

「正規」、「非正規」という2つの働き方の不合理な処遇の差は、正当な処遇がなされていないという気持ちを「非正規」労働者に起こさせ、頑張ろうという意欲をなくす。これに対し、正規と非正規の理由なき格差を埋めていけば、自分の能力を評価されていると納得感が生じる。納得感は労働者が働くモチベーションを誘引するインセンティブとして重要であり、それによって労働生産性が向上していく。」

2つ目は、長時間労働です。

「長時間労働は、健康の確保だけでなく、仕事と家庭生活との両立を困難にし、少子化の原因や、女性のキャリア形成を阻む原因、男性の家庭参加を阻む原因になっている。これに対し、長時間労働を是正すれば、ワーク・ライフ・バランスが改善し、女性や高齢者も仕事に就きやすくなり、労働参加率の向上に結びつく。」

3つ目は、転職が可能な労働市場です。

「単線型の日本のキャリアパスでは、ライフステージに合った仕事の仕方を選択しにくい。これに対し、転職が不利にならない柔軟な労働市場や企業慣行を確立すれば、労働者が自分に合った働き方を選択して自らキャリアを設計できるようになり、付加価値の高い産業への転職・再就職を通じて国全体の生産性の向上にもつながる。」

と結論づけています。

そして、このことを実現していくためには、パートタイム労働法、労働契約法及び労働者派遣法の改正を図ることで、実現していこうとしています。
このような計画に基づき、今後も労働法関係の制度設計や法改正が活発になされていくだろうと予想されます。行政書士試験にも関係の深い分野ですので、引き続き注視していきたいと思っています。

今回は、この辺で。