ITパスポート講座の講師ブログ

よくあるご質問 -ストライピングとミラーリングの記録可能量の差-

皆さん、こんにちは。 
ITパスポート講座担当の小野です。
いやぁ、毎日暑い日が続いていますね! 
冷たいものの取りすぎにはご注意を!

今回はRAIDでの記録可能量の計算について取り上げます。
RAIDではストライピング・ミラーリングという代表的な使い方がありますが、
ストライピングが処理速度を速くするための利用方法である一方、
ミラーリングが記録の安全性を高める利用方法であり、ディスクの使い方が異なります。
その点について記録容量の計算をさせて、RAIDに関する理解を問う問題が出題されています。

例題)
同じ容量の2台のハードディスクを使う記録方式を考える。
2台をストライピングする方式と比較して、
ミラーリングする方式では、記録できる情報量は何倍になるか。

解答・考え方)
データが10個(A、B、C、D、E、F、G、H、I、J)あるとしましょう。
保存するディスクには、1台当たり5個までデータを保存できるものとします。

〔ストライピングの場合〕 
ストライピングでは、高速化を目的として、データを2台のディスクに分割して保存します。
 
ディスクⅠ A、C、E、G、I
ディスクⅡ B、D、F、H、J

このように、ディスクⅠとディスクⅡに分割しますから、
A~Jの10個のデータを5個ずつ保存して、システム全体としては10個のデータを保存していることになります。
つまり、5個分の書込時間で10個のデータを保存できるのであり、
ストライピングは多くのデータを短時間に書き込めるという特徴を持っています。
その代わり、ディスクがどちらか壊れてしまうと、データが消失してしまいます。

〔ミラーリングの場合〕
一方、ミラーリングでは、2つのディスクに同じ内容を保存します。要はコピーを自動的に作るんですね。

ディスクⅠ A、B、C、D、E
ディスクⅡ A、B、C、D、E

このように、ディスクⅠとディスクⅡには同じ内容のデータが5個保存され、
システム全体としても5個のデータを保存していることになります。
よって、ミラーリングは、ストライピングの半分しか保存できません。

その代わり、どちらかのディスクが壊れてもデータは完全に残ります。
ミラーリングは安全性が高いという特徴を持っています。