社会保険労務士講座の講師ブログ

よくある質問

今日は、よくある受講生からの質問の1つを紹介します。

雇用保険法のテキスト200ページに

60歳の定年により離職してから10カ月を経過した後に求職の
申込みを行った一般の受給資格者は、受給期間の延長の手続を
行っていない限り、高年齢再就職給付金を受給することができ
ない。

という問題が掲載されています。
この問題、なぜ正しいのか?という質問です。

高年齢再就職給付金の支給要件の1つに
「就職日の前日における基本手当の支給残日数が100日以上であること」
というのがあります。
これに該当しないのです。

受給期間の延長を行っていないということですので、
原則として、受給期間は1年間です。
そのうち10カ月を経過した後、求職の申込みをしています。
この場合、基本手当の受給期間は、残り2カ月をきっています。

ということは、基本手当の支給残日数、
所定給付日数にかかわらず、2カ月に満たない日数となります。

支給残日数というのは、「所定給付日数-支給を受けた基本手当の日数」
ですが、
受給期間の最後の日までの日数が、
「所定給付日数-支給を受けた基本手当の日数」より少ないのであれば、
受給期間の最後の日までの日数となります。

ですので、受給期間の最後の日までの日数が
2カ月に満たないということは、支給残日数は100日未満ですよね。
ということで、支給要件の
支給残日数が100日以上であることを満たせないことになります。
そのため、高年齢再就職給付金の支給を受けることができない
ってことになります。

応用力を必要とする問題ですが、過去に出題された論点ですので、
きちんと理解しておきましょう。