簿記講座の講師ブログ

規模の経済と結婚

 皆さん、こんにちは。

 結婚を経済学的な視点から見たらどうなるでしょう?
 経済学的な視点から見る必要はない。終わり。とはいわずに、もし経済学的に見たらどうなるかということでお付き合いください。

 さて、最近は晩婚化がトレンドとなっています。その理由としてはいろいろな理由が挙げられますが、理由の1つとしてよく挙げられるのが低所得化です。最近は働き方が多様化してきました。こういえばなんだか働く側が働き方を選んでいる成熟した社会であるかのように感じられますが、皆さんもご存じのとおり、現実はちょっと違いますね。現実は、企業が人件費を簡単に調整できる非正規社員を多用するようになった結果、十分な所得を得ることができない人が多くなってきた、というところでしょうか。だから、「十分な所得がない=生活が苦しい=結婚できない」といわれます。でも、これって、経済学的に見ると、ちょっとした違和感を感じるんです。十分な所得がなければ生活は苦しいでしょう。でも、経済学的には、生活の苦しさを取り除くためのツールとして結婚が使えるんです。
皆さん「規模の経済」って聞いたことありません? 「規模の経済」とは、規模が大きくなれば製品1つ当たりの単価が安くなるということです。タクシーは5人しか人を運べませんが、バスは50人くらいの人を運べます。でもバスの価格はタクシーの10倍もしませんし、運転士はいずれも1人です。つまり、乗客1人当たりの輸送コストはバスが低いので、運賃もバスの方が安くなるわけです。いたって当たり前の話ですよね。

 では、これを家庭に適用してみましょう。1人で暮らすために1Kのアパートが必要です。2人で暮らすためにはもう少し広い2DKのアパートが必要です。でも2DKのアパートの家賃は1Kのアパートの家賃の1.3~1.5倍くらいです。だから、住人1人当たりの家賃は少なくなります。食費などの生活に関わる費用にはほとんどこの原則が当てはまるでしょう。だから、生活が苦しいのであれば、一緒に生活する人数を増やすべきなのです。結婚して一緒に生活するようにすれば、苦しい生活から抜け出せるかもしれません。

 政府の役割は1つは国民生活を向上させることでしょう。だから、産業を振興するために財政支出を行う→企業の利益が増える→従業員の給料アップ→人々の生活向上、というつながりを想定していろいろな政策を実行しているのでしょう。でも、結婚促進による人々の生活の効率化→人々の生活向上というような、やり方もありじゃないかと思うんです。結婚してたら、ギフトカード10万円分を支給するとか。「ナンテラ機構」のような産業振興のための天下り法人を作る必要もなく税金の無駄遣いも減って一石二鳥です。もしかしたら、余暇を充実させる政策で少子化問題まで解決しちゃったりして。でも、そうすると「余暇開発機構」みたいな法人を作らなきゃな。