簿記講座の講師ブログ

夢を買ってください! -前半-

 皆さん、こんにちは。

 今回は宝くじの話です。
 宝くじほど夢がありそうで夢のない商品はありません。

 投資の世界では期待収益という考え方、投資意思決定を行います。“期待収益に基づく投資意思決定”というと仰々しいですが、要は“儲かる可能性が高ければ投資する”というだけのことです。

 問題は“儲かる可能性”をどのように考えるのかということです。“期待収益”という考え方では、いくつかのシナリオを想定して“儲かる可能性“を次のように計算します。
 
 30%の確率で30万円儲かる(=買った株が30万円値上がりする確率が30%)
 20%の確率で10万円儲かる
 20%の確率で儲けゼロ
 20%の確率で5万円損する
 10%の確率で20万円損する

 期待収益=30%×30万円+20%×10万円+20%×0円-20%×5万円-10%×20万円
     =8万円

 上のようなシナリオが想定される投資がA株の購入だとしましょう。A株を購入すれば「8万円儲けることができそうだ」と計算するわけです。あとは、他の投資手段(B株の購入)と比較して、「8万円の儲け」が他の投資手段(B株の購入)から得られる儲けよりも多ければA株を購入します。このように、“期待収益に基づく投資意思決定”をしているわけです。

 しかし、「○○%の確率で△△万円儲かる」というシナリオを想定すること自体が非常に難しいことです。突然ユーロ危機が起きたり、突然大手企業が倒産したりと、経済の世界は波瀾万丈です。ですから、様々なことを予測しながら最も効率的な投資について助言する投資顧問といった専門的な会社が存在する余地があるわけですね。

 では、宝くじの場合どうでしょう。宝くじの場合、1等○○本、2等○○本・・・とあらかじめ決められています。つまり、「○○%の確率で△△万円儲かる」という予測がある程度可能です。しかも、宝くじ販売金額の約半分を胴元(地方自治体・財団法人・みずほ銀行)がもって行くということまで分かっています。期待収益はどうなりますか?