簿記講座の講師ブログ

よくあるご質問 -端数利息-

皆さん、こんにちは。

今回はよくあるご質問の中でも端数利息に関するご質問を取り上げたいと思います。
他社が発行した社債を売買する場合には、保有期間に応じた利息の受け払いが同時に行われます。そこでのポイントは「前利払日の翌日~売買日の期間分」ということですが、「なぜ、購入日~売買日の期間分ではないの?」というご質問をお受けします。講義内でも説明していますが、改めて説明してみましょう。

例)4月1日、福島商店はX社発行の社債をA商店から取得しました。
  5月12日、福島商店はこの社債をB商店へ売却しました。
   社債の条件
    額面:1,000,000円  利率:年7.3%  利払日:2月末・8月末

各社の保有期間を図示してみましょう。

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A商店は3/1~3/31の間、この社債を保有しているので31日分の利息を受け取る権利があります。しかし、X社から3/1~8/31分の利息が支払われる8月末時点では保有していないので、X社から利息を受け取ることができません。そこで、4/1にこの社債を購入した福島商店がA商店に31日分の利息を立て替え払いしてあげるのです。したがって、4/1に福島商店は社債購入代金と31日分の利息を合わせてA商店に支払います。
次に福島商店は5/12に当社債をB商店に売却しました。福島商店は4/1~5/12の42日分の利息を受け取ることができるはずです。しかし、それでは不十分です。なぜなら、3/1~3/31の分をA商店に立て替え払いしているからです。その分まで合わせて受け取らなければ福島商店は損をしてしまいます。そこで、福島商店は73日分(3/1~5/12)の利息をB商店から受け取ります。
B商店は8月末になったら184日分(3/1~8/31)の利息を受け取ることができます。B商店は福島商店に73日分を支払っていますので、B商店が受け取ることができる利息の純額は111日分です。この111日は5/13~8/31ですから、B商店が保有していた期間と一致します。
このように、前利払日の翌日(本問では3/1)から売買日までの利息をやりとりしなければ、後で取得した企業(B商店)ほど不利になります。よって、端数利息は前利払日の翌日~売買日までの期間分となるのです。