簿記講座の講師ブログ
2021年度国家予算。国はどんなことにお金を使う?

 皆さん、こんにちは!
 簿記講座担当の小野です。

 寒い日が続いていますが、カゼなどをひかないように、体調管理に気を付けて!

 2020年末に2021年度予算が成立しました。一般会計は3年連続100兆円超え、2020年の約100兆円より約6兆円増えて約106兆円です。超巨額予算! 借金をどんどん増やしている政府だけど、こんなに使って大丈夫なのでしょうか?

 中身を見てみると、2021年の増加分はコロナ対策予備分・社会保障分・借金返済分・地方仕送分の増加です。国が事業に使うお金は100兆円で実質的には増えていません。増えた6兆円のうち5兆円がコロナ対策ですから、予算アップ分のほとんどがコロナ対策分みたいですね。コロナ対策のための予備費を使わないで済めばよいでしょうが、予算として確保しておくことは必要ですよね。ただ、私たちは、コロナ対策名目で、この予備費が無駄遣いされないように監視しておかないといけません。どさくさに紛れて、「○○給付金」が新設されて、政治家・政府高官のお友達だけに給付されるなんてことは見逃しちゃダメですね。

 今年は多額のワクチン接種費用や病床確保費用などが必要になりますが、それはすでに2020年中に確保済みで、2021年予算には入っていません。ちなみにワクチン接種費用1.7兆円、病床確保費用4.3兆円の合計6兆円が2020年度中に確保されました。また、保健所の体制強化、感染症研究費などが2021年度の厚生労働省の予算に入っていて、コロナ対策のための予算は別途確保されているようですね。それが十分な額かどうかは判断できませんが…。

 ということで、ここでの予備費はホントに予備費ということです。使わずに済みます(コロナが収束します)ように!

 でも、そもそも2021年も2020年と同じく、100兆円のお金を使うということですが、何に使うのでしょう? ざっくりいうと、社会保障(年金・医療・介護)36兆円、借金返済関連24兆円、地方への仕送り(学校や警察の運営費)16兆円で、これで76兆円です。 要は、予算100兆円のうち76兆円は動かしようのない国民への支払いということで、この辺はもうどうしようもありませんね。もちろん、そこにいろんな無駄遣いが紛れ込んでいるかどうかはチェックしなければいけませんが。

 残り24兆円は、科学技術、防衛、公共事業、その他で4等分、6兆円ずつというイメージです。

 科学技術予算での目玉は脱炭素! 環境問題対応は世界のトレンドですから、それについていくために必要ですが、経済産業省と環境庁でかぶっているのがちょっと気になるところです。洋上風力発電の導入を推進したり、電池を組み込んだ広域エネルギー供給システムを構築する事業は、どちらの省でも取り組むみたいです。一緒に大規模にやればいいのにね?と思っちゃうのは私だけでしょうか。まぁ、いろんな大人の事情もあるのでしょう。

 防衛予算でのポイントは宇宙・サイバー・電磁波・ミサイルです。陸海空の中にあるサイバー関連部隊をサイバー防衛隊として独立させたり、あと電磁波対策ですね。サイバー攻撃と電磁波攻撃で、証券取引所をダウンさせれば経済は大混乱し、そこに原子力発電所へのサイバー攻撃を仕掛ければ、もう…。昨年の秋に証券取引所のコンピュータにちょっとした障害が生じて、取引が1日止まっただけでも、あの混乱でした。ましてや他国を混乱させるのにミサイルなどの武力は必要ありません。

 経済が回らないと社会が混乱することがコロナ禍で分かりました。経済を破壊されないように守るのも自衛隊の仕事になりつつあるかも。なく、サイバー部隊が経済まで守る時代になってしまったのかもしれません。

 残りの公共事業の中心は壊れかけている古いインフラの整備です。すでに修理費がなくて通れなくなった橋・トンネルをどうするか?という問題が、あちこちで山積していますので、解決していかなくてはいけません。

 その他6兆円は、ホントにもういろいろやっている感じです。細かすぎてチェックするのが大変なくらい。すべての詳細について財務書のサイトで説明されています。 カラフルな見やすい図表入りの全体像の説明がされているパワポに始まり、こまごまとした詳細がすべて書かれている書類まで、これでもか!というくらいの説明文書です。我々国民も、この辺のチェックを面倒くさがらずにしっかりやっていかないといけないんでしょうね。