簿記講座の講師ブログ

 皆さん、こんにちは。

 簿記講座担当の小野です。

 まだまだ暑い日が続いていますね! 夏バテには十分注意しましょう!

 やっぱ、こういうニュースを見ると、アメリカって底力があるなぁとうらやましくなります。そのニュースとは、アメリカが2030年までにクリーン電力を全発電量の8割にするという目標を立て、そこに向かって動き出したというニュースです。

 クリーン電力とは二酸化炭素や窒素酸化物を排出しないエネルギーのことで、原子力エネルギーと再生可能エネルギーを指します。つまり、たった9年後の2030年には、原子力と再生可能エネルギーだけで電力の8割をまかなうと目標をたて、動き出したということです。現在のアメリカの発電割合は、原子力2割と再生可能エネルギー2割で合計4割ですから、たった9年でこれを倍にするというのです。裏を返せば、現在、全体の6割を占める石炭・天然ガス発電を2割にまで落とすということです。

 このために、大きく2つのことに対応しなければなりません。

1つは、たった9年間で、これまでの倍以上のペースで再生可能エネルギーを増やしていかなければならないということです。いくらアメリカでも、原子力発電所の増設だけ対応できないしょうから、少なくとも半分は再生可能エネルギーでまかなっていくことになります。アメリカ国内の再生可能エネルギーは、2010年頃に全発電量の1割くらいをしめていました。2021年現在、約2割です。これを少なくとも4割以上(原発と合わせて8割)に高めなければならないのですから、これまでの倍以上のペースで再生可能エネルギーを増やすことになります。

もう1つは既得権との戦いです。発電所は40~50年単位での採算を考えて操業しています。それをあと9年のうちに2/3の発電所を閉めさせることになります。2/3の発電所に対して、「今の儲けをあと9年で捨てろ!」って宣言したわけです。日本でそんなことをやったら、総論賛成各論反対で、結局はうまくいかないでしょう。そういった利害調整を大統領令で一気にやってしまうところがすごいなぁって思います。菅さんの首相権限でやろうとしても、誰も見向きもしないような・・・。

 日本は、やっと、新築の1割に太陽光発電が乗るように努力しよう! と決めたところです・・・。アメリカのすべてが日本よりも優れているわけでは絶対にありませんが、見習うところが多いのも事実ですね。