通関士講座の講師ブログ

パスタ用小麦 輸入差益下げ検討

みなさん、こんにちは。
講師の神田です。

欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)交渉に関連して、
政府がパスタの原料となるデュラム小麦のマークアップ(輸入差益、
1キロ当たり約17円)の引き下げを検討しているようです。
デュラム小麦の国内生産は少ないですが、マークアップは
国産麦の生産振興の財源となっており、
国内生産も間接的に影響を受ける可能性があると懸念の声があります。

デュラム小麦のマークアップ引き下げはEU産に限らず、
全世界からの輸入を対象とする方針。環太平洋連携協定(TPP)では
小麦のマークアップを45%削減するとしており、
政府はこの水準で調整しています。

マークアップ引き下げは、国内製粉業者への配慮と推測できます。
業者は小麦を輸入し、パスタを製造しているからです。

国内の製粉業者は国産麦の重要な供給先で、廃業すれば、
国産麦の行き場がなくなる可能性もあります。
このため、パスタ原料となるデュラム小麦のマークアップを引き下げ、
国内でのパスタ製造が続けられるようにするのが狙いとみられます。

国内産業の保護と、その結果が私たちの生活に
どのように影響するのか、気になるニュースです。