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試験講評

第146回日商簿記検定試験 講評

2017/06/12

6月11日(日)に実施されました、第146回日商簿記検定試験の講評を公開させていただきます。

3級講評

全体

とてもオーソドックスな設問であり、過去問中心に勉強してきた方にとってはとても取り組みやすい問題であったと思います。

第1問

租税公課の問題が久々の出題(5回ぶり)でしたね。また、5.では仮払金と前受金の仕訳が同時に問われていました。仮払金の精算と、前受金の受領をそれぞれ分け考えないと、ちょっと混乱しそうな問題でした。残りの3つは手形の裏書き、備品の売却、売掛金の貸倒れとよく出る問題でしたね。最低12点、できれば16点欲しいところです。

第2問

記入すべき帳簿を解答する問題です。各日の仕訳ができれば記録すべき勘定が分かりますから、記入すべき帳簿も分かるはずです。ただし、記入すべき帳簿がないケースが出題されていて、「おやっ?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。その部分の得点が難しかったとしても、残りの4日分で8点は欲しいですね。

第3問

とてもベーシックな取引だけで構成された試算表作成の問題です。久々に(第134回以来!)売掛金明細表・買掛金明細表と同時に出題されました。試算表本体は18~20点点程度、売掛金明細表・買掛金明細表は久々に出題されたということで4点程度、合計22~24点程度は欲しいところですね。

第4問

用語を穴埋めする形式の問題で、過去はあまりなかった形式の問題でした。ちょっと戸惑った方もいらっしゃったかもしれません。ただ、仕訳を想像しながら考えると正答できた問題ですね。4点得点できていればOKとしましょう。

第5問

とてもオーソドックスな決算整理で構成された財務諸表作成の問題でした。財務諸表作成の問題の場合、難しく感じる方が多いようですが、精算表の作成と同じことです。精算表作成の手順と同様に
② 一つ一つ決算整理事項を仕訳する
② ①を問題文に示された残高試算表の勘定に加減する
③ ②の計算結果を、資産・負債・純資産項目ならば貸借対照表へ、収益・費用項目ならば損益計算書へ記入するという手順で進めればOKですね。
決算整理事項がかなり容易な項目だけであり、24点程度欲しいところです。



日頃、過去問中心に練習している方にとってみれば、上記であげた得点(70点)は十分可能なラインでしょう。合格率も前回と同程度で、そこそこ高くなるものと予想されます。合格発表が楽しみですね。

2級講評

全体

ここ数回10%台の合格率の試験が続いていましたが、今回の試験はそれらの試験に比べると、基本的な問題の出題が多かったように思います。20%台、もしかすると久々に30%台の合格率が出るかもしれませんね。

第1問

問3が新試験範囲からの出題となりました(圧縮記帳)。圧縮する時の仕訳が問われていますが、テキストレベルの出題であり、容易に解答できたものと思います。また問2は最近出題が多くなってきた研究開発費に関する出題でした。研究開発のための支出はすべて「研究開発費」とする点がポイントであり、「機械装置」などを計上してはいけません。残りの3つの仕訳は過去問と同様の典型的な出題のされ方でした。最低でも12点、できれば16点は欲しいところです。

第2問

銀行勘定調整表を作成する問題でした。銀行側残高からスタートして会社側残高にゴールする形式です。テキストで学習したそれぞれの残高からスタートして正しい残高を求める形式の調整表の順序を入れ替える点がポイントです。また、必要な仕訳は会社側の修正事項だけです。銀行側の修正事項まで仕訳しないようにしましょう。第137回の出題とほぼ同じ問題であることを考えると、16点~18点は欲しいところです。

第3問

精算表作成の問題でした。為替レートの変動による「買掛金」に関する「為替差損益」を計算する点が新試験範囲からの出題となっていました。期末の為替レートで換算し直して、「為替差損益」を計算しなければなりません。その他は、売上原価の算定、貸倒引当金の計上、減価償却費の計上などかなりオーソドックス(というよりかなりワンパターン)な決算整理が並んでおり、その部分でどれだけ得点できたかがポイントとなるでしょう。14点~16点が欲しいところですね。

第4問

標準原価計算の問題です。メインはシンプルプランによる「材料」勘定、「仕掛品」勘定、各種の「差異」の勘定への記入です。シンプルプランは「仕掛品」勘定の記入をすべて標準額で行う方法です。つまり、標準額と実際額の差額は「材料」などの各要素の勘定で把握されることになります。ですから、「材料」勘定で各種の差異を計算できたか、そして、各種「差異」の勘定では、「材料」勘定からの振替という前提で記入できたかがポイントとなります。その点に気づくことができれば、計算自体はとても容易な問題でした。シングルプランの記入方法をきちんと理解していたという前提で、14~16点くらい欲しい問題です。

第5問

総合原価計算と売上原価の計算を行わせる問題です。ポイントは2つありました。1つ目のポイントは仕損の扱いです。仕損が工程の終点で発生しているため、仕損のためにかかったコストはすべて完成品原価に加算します。2つめのポイントは売上原価の計算です。販売した製品は2,800個ですから、2,800個分の製造原価だけを売上原価としなければなりません。決して、製造した2,300個分の原価ではありません。2つのポイントがあるとはいえ、過去にも多く出題されている形での出題でしたから、16点程度は確実に欲しいところですね。



2級の試験はここ数回10%台、20%台の合格率が交互に繰り返されていました(前回の145回試験は25%)。比較的難しい回が続いていました。それに比べると今回の試験は(前回よりも)合格することが少し容易な難易度だったと言えるかもしれません。新試験範囲からの出題は2つだけであり、しかも、新試験範囲の中でも比較的理解しやすい部分からの出題でした。ですから、「試験範囲が変わったから難しかった」という状況にはなかったと思います。
 第3問精算表の問題もかなりオーソドックスであり、工業簿記でもオーソドックスな問題が並んでいることから、上記のとおり得点(最低でも72点程度)を取るのは難しくないと思います。

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