実務家密着取材

直撃インタビュー
ファイナンシャルプランナー 菅原文子さん

ファイナンシャルプランナー   菅原文子 さん

1968年宮崎県生まれ。1986年に東京外国語大学中国語学部に入学し、2年後に中退。在学中より、コンビニや居酒屋の店員、カフェのウエイトレス、学習塾の講師、ガードマン、画廊や宝石店の店員、出版社の広告担当者など、幅広い業種・職種にアルバイトとして携わる。28歳で都内の建設資材メーカーに入社後、営業を担当し、2年後には係長に就任。2007年にAFP取得をきっかけに、総務管理部門へ異動し、主に社会保険、税務、民間保険を担当。その後、2009年に独立開業し、2010年に「株式会社フリーライフプランニング」を法人化し、現在に至る。

菅原文子さんが代表取締役を務める「株式会社フリーライフプランニング」のホームページは以下のとおりです。
URL : http://freelife-planning.com


生活者目線で『目からウロコ』のアドバイス
本質を見極める“察知力”で、トータルなライフサポート

試験に合格して資格を取得した後、実際にどのような仕事を行うのか。フォーサイトでは活躍中の実務家を直撃し、その実像に迫ります。今回は、ファイナンシャルプランナーの菅原文子さんからお話を伺いました。

どのようなお仕事をされているのでしょうか


個人のお客様の相談業務がメインです。中立・公正な独立系FPという立場から、資産運用・管理、年金、住宅ローン、保険、不動産などのご相談に応じ、さまざまな角度からトータルプランニングをしています。
 弊社では、生命保険・損害保険などの代理業も行っていますが、代理店の枠にとらわれることはありません。国内生損保・外資系・共済・かんぽ等、あらゆる保険商品の中から、お客様に最も必要と思われる保険をご提案しています。
 また、法人のお客様を対象にしたコンサルティングサービスも提供しています。本社は横浜ですが、汐留・渋谷・大阪にも面談用提携オフィスを構えています。


横浜・渋谷・汐留等、主に関東エリアに拠点を構える菅原さん

横浜・渋谷・汐留等、主に関東エリアに拠点を構える菅原さん


ファイナンシャルプランナーの資格を取ろうと思ったきっかけは何ですか


もともと勉強が嫌いではなかったのですが、一番の動機は主人が会社を辞めたことですね。当時、私は建設資材メーカーの係長という立場でした。特に、生活に困るという訳ではありませんでしたが、主人の収入がない状態になってはじめて、“保険”について真剣に考えました。“保険”の仕組み、お金の流れについて「知れば知るほど面白い」と感じるようになり、いつしか“税金”や“不動産”についても勉強するように。独学で勉強を進めるうちに、それらを体系的に習得している人がFP(ファイナンシャルプランナー)だと気付きました。
 「これこそ、私が待ち望んでいた天職に違いない!」と決起し、2007年に受験。一発合格しました。その後、トントン拍子で営業から総務管理部門へ異動になりましたが、「FPが私の天職」と心から実感しましたね。


2007年の試験で一発合格

2007年の試験で一発合格


資格取得後、どのようにお仕事されたのでしょうか?


FP(ファイナンシャルプランナー)の資格を取った頃、勉強意欲が盛んで、「この勢いで行政書士や社労士の資格を取ってしまおう!」と思っていました。しかし、会社の勤務地が変更になるにあたり、通勤時間が長くなり、家事や育児に支障をきたす恐れがあるので、会社員生活を続けることに悩みが生じてきました。
 そこで、2009年6月から会社員を続けつつ週末起業をスタート。独自のホームページを作り、検索サイトに登録しました。「リアルな目線でお客様をトータルでサポートする、従来にないFPサービスを提供しよう!」と意気込み、退社後の翌年2010年に法人化しました。


お仕事の魅力、やりがいは何でしょうか?


FPの世界は自由であり、制約がありません。業界自体、他の士業と比べて歴史が浅いため、「何でもアリ」で新しいものを作り、世間に発表できる。それが魅力のひとつだと思いますね。
 FPの仕事は、ご相談いただいたお客様の人生を知り、お客様のお悩みを解決すること。私はこの仕事を始めた当初から、「お客様に『ありがとう』と言われて人生を全うしたい」と思っていました。コンサルティングが終わった後、お客様から笑顔で、感謝や御礼の言葉をいただいた時は本当に嬉しく、充実感を覚えます。


柔和で独特の雰囲気を持つ菅原さん

柔和で独特の雰囲気を持つ菅原さん


お仕事の際に気をつけていることは何でしょうか?


お客様が100人いたら、100通りの回答があります。案件はいつもケース・バイ・ケースです。私はFPとしてプロとしての自覚を持って、お客様に接するので、自分の言葉選びや情報のリソースには慎重になります。何でも調べればいい、というものではなく、インターネット経由の情報は、信憑性について、断言できない記事や内容が多く見られます。とはいえ、専門家としての断言が求められる場面もあります。お客様に対して、どこまで、どういう情報を出すか、その判断とバランスにはいつも悩みますね。


FPに必要なスキル、資質について、どう思われますか?


FPには総合力が必要だと、いつも強く感じます。例えば、保険設計について考える場合、保険商品の内容を知っていればいいというものではありません。保険以外の金融商品、税務、法律、社会保険など、様々な知識があるからこそ、お客様に最善のサービスを提供できます。
 FPの一番大事な仕事は、お客様が人生で心から求めているものを一緒に探すことです。お客様がご相談に至るきっかけは、お金にまつわること。お金についての相談、お悩みは見えやすいのですが、あくまで入り口です。本質的な問題解決策は、お金のこととは別にあるケースもあります。FPには、常に本質を見逃さない察知力こそが何より必要ですね。


菅原さんの趣味はバイク。ご主人とのツーリングが楽しみのひとつ

菅原さんの趣味はバイク。ご主人とのツーリングが楽しみのひとつ


今後の展開、将来の展望について教えてください


お金から波及する悩みは、人間ならばきっと誰もが多かれ少なかれ持っているもの。将来的には、低料金でどんな方でも気軽に相談できる仕組みを作りたいですね。
 FPは、士業をつなぐコーディネーターにも成りえます。私は法律家・金融専門家チームと一緒に組んで仕事していますが、今後もネットワークをひろげ、もっともっとFPの間口をひろげていきたいと思います。全国レベルで必要な人に必要な情報を提供出来る体制を構築していきたいですね。



夢は大きく持って下さい。FPの世界では、前例にとらわれることなく自由な発想で仕事ができます。正しい解答はなく、お客様に満足いただければ、それがベストです。「どういう形、どのようなアプローチで、どんなサービスが出来るのか」、無限の可能性があります。あなたなりのやり方で、新しいビジネスモデルを見つけてください。


ファイナンシャルプランナー   菅原文子 さんの、ある1日


ある日のスケジュール
5:30 起床 新聞・ニュースのチェック、書類作成
7:00 朝食 その後、育児&家事
9:00 出社 メールチェック
11:00 社内 社員とミーティング
12:00 昼食 その後、外出
13:00 個別相談 取引先にて、FPコンサルティング
15:00 帰社 社内にて書類作成
18:00 退社 その後、食事の支度
19:00 夕食 子どもと一緒に
23:00 仕事 メールチェック後、読書
24:00 就寝