地道にコツコツ、マイペースで 専業主婦から住まいのエキスパートに | FP・ファイナンシャルプランナー

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実務家密着取材

直撃インタビュー
ファイナンシャルプランナー 岡本典子さん

ファイナンシャルプランナー

岡本典子さん

原点は子どものころからの地理好き
地道にコツコツ、マイペースで
専業主婦から、住まいのエキスパートに

1975年 早稲田大学教育学部社会科を卒業
1975年 大手総合商社に就職
結婚後、転居、子育て、親の介護を経験。
2003年 ファイナンシャルプランナー(CFP®)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士資格取得
以後、独立系FPとして現在に至る。


URL : http://www.fp-refresh.jp

独立系ファイナンシャルプランナーとして「FPリフレッシュ」の代表を務める岡本典子さんは、「手持ち資産で安心・安全・やすらかな老後をすごせる住まい探し」が仕事のモットー。介護や専業主婦としての実体験を生かし、生活者目線で相談者と一緒になって考えていくスタンスが持ち味でもあります。そんな岡本さんにとって、子どものころから大好きだったという「地理」は、今の仕事の原点にもなっているようです。「地道にコツコツ、マイペースで」と語る岡本さんの素顔に迫ってみました。

苦境に陥り、初めて知ったFP資格

大学卒業後、就職、結婚、出産、育児と、順調なライフサイクルをたどっていた岡本さんに、母親が他界したことから転機が訪れます。

「母は信託銀行の勧めで、全額ローンで実家を建て替えるとともに、小さいながらも賃貸物件を建てたのですが、竣工と時期を同じくして亡くなりました。それを相続した私は、事業用ローンを抱えることになったのです」

当時のローン金利は7~8%。しかも、バブルがはじけた後で賃貸には逆境。返済の重圧につぶされそうに。この苦境を乗り越えるにはどうしたら良いか考え悩む日々。その中で知ったのが、ファイナンシャルプランナーの資格でした。

「資格取得のために勉強を始めてみると、金融、不動産、ライフプラン、保険、タックス、相続と、それまで何も知らずに生きてきたことを思い知りました。ええ、ある意味ショックでした。国民年金基金と小規模企業共済に早速加入したのも、このときです」

どの試験課目に関しても、企業での実務経験などほとんどないゼロからのスタート。講座を受講しても、ついていくのに必死だったといいます。しかし、努力は実を結び、2003年にCFP®資格を取得。ファイナンシャルプランナーとして、新たな道を歩み始めます。


「子どもの金銭教育」から、「高齢期の住まい探し」に注力

開業当初は「子どもの金銭教育」をテーマに、小学校の家庭教育学級やFPフォーラムのセミナーなどでも活動。さらに、WAFP関東(女性FPの会)で学んだことをきっかけに、仕事の幅を広げていきます。

「WAFP関東の資産形成ゼミでは、熱く学びましたね。それがFPならではの資産運用、特に投資信託を中心に、長期分散投資のセミナーを行うことにつながりました」

その一方で、ほかのFPと差異化が図れる分野を模索していた岡本さんは、「高齢期の住まい探し」というテーマにたどり着いたのです。

「私の親は1980年代からシニア向け分譲マンションで静養していましたし、関西在住だった夫の両親も揃って脳梗塞で倒れ老人保健施設、そして有料老人ホームにお世話になっていました。ですから私自身、高齢者施設に出入りする機会は多く、親の介護から最期の看取りも経験しています」

FPとして、より相談者の立場に寄り添ったサポートをしたいと、かねてから思っていただけに、自らの実体験を生かせることは、何よりも仕事の原動力となりました。岡本さんは「手持ち資産で安心・安全・やすらかな老後をすごせる住まい探し」のエキスパートを目指し、絶え間なく勉強や施設見学を積み重ねています。


リサーチの第一歩は、昔も今もフィールドワークから

ところで、小学生の頃から図鑑マニアだったという岡本さん。地理学を専攻した大学では、卒業論文のテーマに「民俗地理」を選び、富山県五箇山の合掌造り集落に単身で泊まり込んで調査をしました。

「その土地の気候や風土と人々のくらしに関心があって、学校の勉強でもずっと地理が大好きだったんです。五箇山では合掌造りの民宿に3週間いました。宿泊したのは以前は養蚕を行っていた屋根裏部屋ですけど、広さが100畳もあるんですよ!」

すべての都道府県を巡った学生時代の旅は、たいていスリーピングシーツ(寝袋のようなもの)持参でユースホステル利用という質素なもの。しかし、そこに暮らす人間が自然とどのように折り合いをつけて生活しているか、実際に足を運んでみて知ることが貴重な経験だったといいます。

「環境に合ったいろいろな住まいや住まい方を知りたい。この気持ちは今でも持ち続けています。思えば、子どもの頃からの地理好きが、現在の仕事のテーマである『高齢期の住まい探し』に脈々と通じているんですよね。年を取れば、誰もが自分らしく身の丈に合った暮らしを考える必要に迫られます。そういった『ラストプランニング』のニーズに応えるために、自分が興味を持って取り組んできたことが生かせるのは大変うれしいです」



趣味としての旅行は、数年前から国内のみならず海外へも。7年前に憧れだったイタリアをめぐり感激し、以降も地中海沿岸の国々を中心に旅しているそうです。「キリスト教とイスラム教が交差した文化に触れられる地域は、興味が尽きませんね。とりわけイスタンブールは印象に残っています」

目線は同じく、相談者と共に考えていくスタンス

最近は、女性向け月刊誌をはじめ、金融業界紙やウェブなど、各種メディアでの執筆も増えています。また、FP継続研修やシニア分譲マンション、労働組合、自治体主催のセミナーで講演することも。

「約170カ所の高齢者施設の見学や宿泊体験から、一般の方にはわかりにくい各施設の特徴や選択のポイントを、的確にアドバイスできます。住宅ローンアドバイザーの資格を持っているためでしょうか、マイホーム購入を検討する20~40代のご夫婦からのご相談も結構ありますね。どんな内容に対しても、あくまでも生活者目線で、押しつけではなく、お客さまと一緒に考えていくというスタンスで対応しています」

主に扱うテーマが介護や高齢期という、ややもすると後ろ向きになりがちなものだけに、相談者の話を十分に傾聴し、共感したうえで、かみ砕いたやさしい言葉を用い、具体的にわかりやすく話すことを心がけているという岡本さん。

「さまざまな環境に置かれた方々が、最大限の満足を得るための選択にあたって、当事者やご家族の不安感を取り除き、一歩を踏み出していただくためにサポートすることが、私の役目というかミッションだと考えています。そして、介護や住まいを扱うFPの認知度を、もっともっと上げていかなければと思っています」