実務家密着取材

直撃インタビュー
行政書士 米山泰志さん

行政書士   米山泰志 さん

1966年生まれ。埼玉県出身。1990年に早稲田大学法学部を卒業後、学習塾講師、警備員、魚市場でのアルバイト等、さまざまな職種に携わる。1994年に行政書士試験、国会議員政策担当秘書資格試験にダブル合格。参議院議員・経済企画庁長官(当時)寺澤芳男政策担当秘書となる。1998年に衆議院議員城島光力政策担当秘書を経験後、2003年に足立区議会議員選挙に出馬し、初当選。2期連続で当選を果たし、足立区政に従事する。その後、2012年に「リーガルサービスあだち行政書士事務所」を立ち上げ、現在に至る。また、知的障がい者ケアホーム「ハーモニー竹の塚」を運営する一般社団法人「つくしの郷」の代表理事も務めている。

米山泰志さんが代表を務める「リーガルサービスあだち行政書士事務所」のホームページは下記のとおりです。
URL : http://www.ls-adachi.jp


“志”を持ち、官から民へ
「隗より始める」マルチなリーガルプレーヤー

試験に合格して資格を取得した後、実際にどのような仕事を行うのか。フォーサイトでは活躍中の実務家を直撃し、その実像に迫ります。今回は、行政書士の米山泰志さんからお話を伺いました。

どのようなお仕事をされているのでしょうか


国会議員の政策秘書を9年、区議会議員を8年という歩みを経て、現在、行政書士事務所を開業して1年目になります。現在の私のメイン業務は、主に3つです。
 1つは、町医者ならぬ町の便利屋のような法律サービス業です。足立区を中心に、身近な法律相談から各種法人の開業支援・企業経営コンサルティングをしています。2つ目は、永田町・霞が関エリアのお悩み解決です。一筋縄ではいかないようなご相談、お悩みを承ることもありますが、政策秘書時代に培ったネットワーク、区政に携わってきた私自身の経験を活かして取り組んでいます。そして3つ目が、コミュニティ・ビジネスです。足立区及びその近郊の知的障がい者と要介護高齢者を対象に福祉サービスを提供します。昨年、私が代表理事となって一般社団法人「つくしの郷」を立ち上げ、今年6月に知的障がい者ケアホーム「ハーモニー竹の塚」をオープンしました。


「リーガルサービスあだち」オフィスは西新井にある

「リーガルサービスあだち」オフィスは西新井にある


これまでの歩みを教えてください


大学卒業後、司法試験の勉強をしながら、塾講師、警備員、築地市場で仲卸のアルバイトなど、多種多様な職業を経験しました。正直、肉体労働の世界でカルチャーショックを受けたこともありましたね。
 1994年に行政書士と国会議員政策担当秘書の試験を受け、両方とも一発合格しました。学生時代から法律の勉強をしていたので、政治の世界が新鮮に映りました。そこで縁あって参議院議員・経済企画庁長官(当時)の寺澤芳男政策担当秘書となりました。その後、衆議院議員城島光力政策担当秘書を経験し、2003年当時城島議員の選挙区だった足立区で出馬する流れとなりました。そして、2期連続で当選し、足立区議会議員として区政に取り組みました。2011年の選挙では3098票いただいたのですが、惜敗となりました。
 これから自分の進むべき道を考えた末、『議員でなくとも、社会を変えることは出来る』という結論に達しました。そして、足立区を拠点にした障がい福祉サービス事業をスタートし、法律相談・企業経営支援を行う「リーガルサービスあだち行政書士事務所」を立ち上げました。


国会議員政策秘書と行政書士にダブル合格

国会議員政策秘書と行政書士にダブル合格


お仕事の際に気をつけていることとは何でしょうか?


公務員と民間事業者とは、仕事における意識レベルが違います。例えば「遅刻をしない」、「納期を守る」、「採算を合わせる」、「創意工夫する」というのは、営利企業であれば当たり前のことです。そういったビジネスパーソンの不文律を公務員時代よりも、徹底して守るよう気を引き締めていますね。また、時代の流れ、周りの空気を読むことは大事だと思いますが、安易に流されず、堅い意志を持って対処するよう努めています。


永田町を訪れることもたびたび

永田町を訪れることもたびたび


今後の予定、夢を教えてください


人生の節目を迎え、やりたいことがより明確になりました。議員であった頃、なかなか挑戦出来なかったことを在野で実現するべく活動しています。足立区内を中心に身近な法律相談を行っている「リーガルサービスあだち」では、さまざまな案件を受けていますが、遺言、相続、年金、会社設立に関する手続き、また、多重債務や倒産、解雇といった深刻な問題もあります。
 今後は、足立区を拠点に、行政書士、弁護士、司法書士、社会保険労務士等の他士業と提携したフランチャイズ展開も見据えていきたいと考えています。また、障がい者、高齢者を対象とした福祉サービス、街おこし、そして、足立区の町工場と海外の事業者をつなぐサービスなども展開していきたいですね。


「ハーモニー竹の塚」お披露目イベントで挨拶する米山さん

「ハーモニー竹の塚」お披露目イベントで挨拶する米山さん


行政書士は、経験したことを全て活かせる職業だと思います。私自身、ブルーカラーの肉体労働からホワイトカラーの仕事まで、身を以て体験してきました。過去に培った経験が今、役に立っています。人生に無駄なことは何ひとつありません。何事も、全て自分次第。前向きにチャレンジして欲しいですね!


行政書士   米山泰志 さんの、ある1日


ある日のスケジュール
6:30 起床 朝食
9:00 出勤  
10:00 個別相談 台東区の顧問先へ
12:00 法務局 書類申請後、議員会館でアポイント
15:00 個別相談 足立区内(鹿浜)の顧客と打ち合わせ
17:00 個別相談 足立区内(島根)の顧客と打ち合わせ
19:00 帰社 メールチェック、書類作成等
21:30 退社  
22:00 帰宅 その後、夕食
25:00 就寝