行政書士 小高大輔さん

実務家密着取材

直撃インタビュー
行政書士 小高大輔さん

行政書士

小高大輔さん

“やんちゃ”なフリーターから法律家へ!
保険代理店との業務提携により
人身事故被害者サポートにも注力

1991年~ 中学校卒業後、アルバイトに従事
2001年 中小企業に就職
2008年 ファイナンシャルプランナー(AFP)資格取得
2011年 行政書士試験合格
2012年 しんせい行政書士事務所を開業


URL : http://www.shinseioffice.jp

2012年8月に「しんせい行政書士事務所」を開業した小高大輔さん。事務所の名前は、民法第1条2項に規定されている「信義誠実」の原則(権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない)に由来するそうです。行政書士試験に合格するまでは、畑の全く違う世界を歩んできましたが、開業時も特に不安は感じなかったといいます。難易度の高い分野へも精力的にチャレンジする、そのバイタリティあふれる活動ぶりに迫りました。

“やんちゃ”時代からの脱皮

小高さんの活動拠点は東京都足立区。生まれ育った地元での旗揚げでしたが、あえて「小高」の名を冠せず、「しんせい行政書士事務所」としてスタートしました。「しんせい」は“権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない”という、民法第1条2項に規定されている「信義誠実」の原則に由来するそうです。

「子どものころからいわゆる“やんちゃ”だったんですよ。団体行動というか組織で過ごすことができませんでした。そんな私の名前がついた行政書士事務所を、たとえば地元住民のみなさんが電柱の広告で見かけたとしたら、ちょっとイメージ悪くないですか(笑)」

そんなふうに半分冗談めかして話す小高さん。中学を卒業後は高校へ進学せず、社会へ出て働く道を選びます。喫茶店のウエーターや上野アメ横のアクセサリーショップといったアルバイトに従事。気づけば二十歳を過ぎていました。

「アルバイト生活もかれこれ10年ぐらいになったころでしょうか、少し立ち止まって自分の人生を考えてみたんです。ずっとこういう働き方をしていていいものなのかな、って。ちょうど周りの同世代が大学を出て、社会人になるような時期でしたし」

思案の末、小高さんは正社員として働くことを決意します。就職したのはおもに学校教材向けの書道用品を取り扱う中小企業。23歳のときでした。会社にも業務にも次第に慣れ、生活は順調。プライベートでも入社5年ほど経って結婚し、アルバイト時代とは違った人生が展開されてきました。


行政書士試験初挑戦の挫折

会社勤めのかたわら興味を抱いたのが、株式売買や純金積立です。自分で実際に資産運用を始めてみると、金融商品や個人投資について専門的知識を身につけたいという意欲もわいてきました。それが資格取得をめざすきっかけとなったのです。

「30歳を過ぎて、まずファイナンシャルプランナー(AFP)の資格を取りました。これで仕事としてお金に関する相談を受けられるようになったわけですが、せっかくだから法務相談にも対応できるようにしたほうがいいと。法律系の資格で少しでも早く合格できるという点からいえば、司法書士よりは行政書士だろうと考えました。2つの資格を機能させることができれば、独立してもうまくやっていけるはずだと見込んだんです」

会社員を続けながら資格試験予備校にも通学して勉強に励みましたが、最初の受験では不合格。得点は94点(300点満点)でした。この予想外の結果に、小高さんは大きなショックを受けます。

「行政書士の試験をあなどっていたのが敗因でしょう。でも、そこで奮起して、2度目は失敗するまいという強い意志がもてました。予備校の先生も自分にマッチしそうな先生に変えて、勉強への取り組み方は1年目とまるで違っていたと思います」

通勤の電車内や趣味のウオーキング中も活用し、予備校では授業時間以外にマンツーマンの指導も受けるなど、仕事と勉強を両立させ、懸命の努力を続けました。その甲斐あって試験には合格。得点は194点と、1年間で100点も上乗せしたのです。


前向きに“どうにかなるさ”

2012年8月、晴れて事務所を開業。実務未経験での出発でしたが、先行きに不安は感じなかったといいます。事実、開業間もなく内容証明郵便の作成依頼があったそうです。

「開業や設備、当座の運転にかかる資金は、会社員時代にある程度蓄えていましたし、性格的にも“どうにかなるさ”という感じですから。先のことをあれこれ考えるよりも、前向きな気持ちでがむしゃらにがんばるタイプですね。とはいっても、前職の顧客や他士業の方々に開業のあいさつはしました」

現在、東京都行政書士会足立支部では役員(理事)として活躍。足立区の無料相談会にも積極的に参加し、一般住民との関わりを通じ、遺言・相続・成年後見といった時代のニーズを的確にとらえています。

「忙しいから手続きを代行してほしい、手続きが難しくてよくわからないから相談したいなど、いろいろなご依頼がありますが、どんな案件であっても、依頼人の利益を第一に考えています」

仕事上、幅広い分野の人々と接するなかで、学びや気づきも多いとのこと。

「建設業更新手続きをご依頼いただいた電気施工会社の社長さんは、いつお電話しても工事の作業音が聞こえるんです。週に何日かは自宅に帰れないということもおっしゃっていました。私よりもずっとキャリアを積んだ方が全力で仕事している姿は、いい刺激になりますね。自分の未熟さを痛感しますし、もっと仕事に打ち込まないといけないなと」

高難易度の分野も自分の武器に

たとえ多忙な日が続いても、ストレスを感じることはないという小高さん。最近の気分転換は、歌舞伎鑑賞に凝っているそうです。

「依頼人の方からいただいたチケットで初めて見に行って夢中になりました。あんなにダイナミックな空間が展開される舞台はすばらしいですよね」

行政書士として歩み始めて1年が経過した小高さんは、さらに専門分野を広げる取り組みに熱心です。この夏からは、生命・損害保険代理店ならびにコンサルタント会社「ロムルス」が運営する「人身事故被害者サポートセンター」の活動に、ほかの行政書士とともに参加しています。

「ロムルスの社長とは以前からお付き合いさせていただいていまして、私を含めて4人の行政書士がパートナーとなって開設に至りました。保険の専門家と行政書士がタッグを組むことによって、事故関連業務の包括的なフォローアップができます」

「むち打ち症だが画像所見がない」「後遺障害等級に不満がある」「慰謝料提示額が妥当かわからない」など、交通事故被害者をサポートするこのセンター。1人の被害者に対し、2人の行政書士が迅速に対応します。

「ひとりで不安になっている被害者の方を的確なアドバイスで支援できるよう、メンバーとの勉強会も重ねています。この分野は難易度が高くて、扱うのを避ける行政書士が多いと思いますが、私はあえてチャレンジして自分の武器にしたいですね」

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