令和5年度 行政書士試験の解答速報・試験講評

2023/11/07

11月12日(日)に実施されました、令和5年度 行政書士試験の解答速報・試験講評を公開いたしました。


解答速報

問1 問2 問3 問4 問5
1 5 2 3 3
問6 問7 問8 問9 問10
2 2 3 3 3
問11 問12 問13 問14 問15
2 5 1 2 3
問16 問17 問18 問19 問20
4 2 2 3 5
問21 問22 問23 問24 問25
1 1 4 4 3
問26 問27 問28 問29 問30
5 4 2 5 5
問31 問32 問33 問34 問35
5 4 4 4 3
問36 問37 問38 問39 問40
5 5 2 3 5
問41 (ア) (イ) (ウ) (エ)
6 18 13 8
問42 (ア) (イ) (ウ) (エ)
5 18 12 3
問43 (ア) (イ) (ウ) (エ)
14 6 19 9
問44
Y市に対し、出席停止の懲罰の差止訴訟を提起するとともに、仮の差止めの申立てをする。(41字)
問45
火災保険金債権につき物上代位権を行使し、保険金の払渡し前に当該債権を差し押さえる。(41字)
問46
Bの担保責任を根拠に、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができる。(44字)
契約不適合を理由として、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができる。(45字)
問47 問48 問49 問50 問51
2 5 3 5 1
問52 問53 問54 問55 問56
2 4 4 4 5
問57 問58 問59 問60  
1 2 1 1  


試験講評

1. はじめに

令和5年11月12日(日)に、令和5年度行政書士試験が実施されました。
受験された方は、本当にお疲れ様でした。

例年通り全部で60問、53ページに及ぶ長い試験ですが、ここで簡単に今年の試験問題を振り返ってみたいと思います。

2. 基礎法学(問題1~2)

基礎法学は、例年通り2問の出題でした。

問題1については、法の一般知識について問う問題でした。
問題2は、各種の法人についての出題です。こちらは、知識問題ですが難しい印象ですので、正解率は下がると思います。

3.憲法(問題3~7、多肢選択式 問題41)

まず、択一式ですが、例年通り5問の出題でした。

今年の憲法は非常に難しい印象です。
ただ、その中でも、問題4および問題6は得点できた方が多いと思います。
さらに、問題3と問題7については何とか正解してほしい問題だと思います。

問題5に関しては、難しいので捨問でよいでしょう。

次に、多肢選択式問題については、例年通り1問の出題でした。

4.行政法(問題8~問題26、多肢選択式:問題42・問題43、記述式:問題44)

まず、択一式ですが、例年通り19問でした。

問題9の肢イの判例は、今年のeライブスタディの「行政法の判例のヤマ当て」で取り上げたものがそのまま出題されました。
受講していた方は、非常にラッキーな出題だったと思います。

そして、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法、地方自治法については、例年並みの難易度であったと思います。

その意味では、難易度の高い問題はありましたが、全体の印象としては平易であったと思います。

多肢選択式は、例年通り問題42と問題43の2問の出題でした。
内容は、あまり難しくないので、いずれも現場思考で対応できると思います。

ただし、問題42が長文であったので、ここで時間を使ってしまったという方も多いかもしれません。

記述式については、例年通り問題44の1問が出題されました。
今年の行政法の記述式は、難しい印象です。

ただし、問題文にもヒントが書かれているような印象もありますので、うまく嵌った方は部分点が狙える可能性があると思います。
その意味で、記述の結果次第という点数の方は勝負の分かれ目となる問題かもしれません。

全体としては、難しい問題やイレギュラーな出題は散見されるものの、条文や著名な判例を学習しておけば得点ができる分野が中心という印象です。

ここ数年の傾向からしても大きな変更はないと思います。

5.民法(問題27~問題35、記述式:問題45、問題46)

まず、択一式ですが、例年通り9問の出題でした。

択一式は、ここ数年の民法の大規模な債権法改正の影響による出題内容のマイナー化が終わり、メジャー論点の復活という印象があります。

特に、時効・連帯債務などの論点は、改正法の内容を反映したものであり、フォーサイトでは、今年の出題予想のTOPに時効を挙げていました。
したがって、出題を見たときには「やはり」という印象でした。

択一式は、あまり難しい印象はなく、多くの方が高得点を出す予想をしています。

次に、記述式については、例年通り問題45、問題46の2問が出題されました。問題45は、抵当権の出題となっています。問題46は、請負契約の問題です。
いずれも、基本的な知識ですので書けた方が多いのではないかと思います。

今年の民法は、択一・記述ともに得点源となると予想しています。

6.商法・会社法(問題36~問題40)

商法・会社法は、例年通り5問の出題となります。

まず、問題36は例年通り、商法からの出題です。

次に、会社法からは、設立、株式から各1問、機関2問となりました。
今年は、憲法が難化したことの影響からか、商法が高得点を狙えそうな内容だと思われます。
憲法で1問・2問を落としてしまったという方が、商法で1問・2問を拾ったというケースがあるのではないかと思います。

フォーサイトでは、会社法は、設立、株式、機関に限って学習をしていくという方針ですので、この方針が完全に嵌った出題内容となりました。

7.一般知識(問題47~問題60)

一般知識については、例年通り問題58から問題60までは文章理解の分野からの出題でした。

次に、情報通信・個人情報保護の分野ですが、問題56で情報通信用語、問題57で個人情報保護制度の周辺知識に関する出題でした。

ここ最近は、この分野の出題が減少傾向にあると思います。

なお、問題47のG7サミットの問題は、フォーサイトの直前対策講座の一般知識対策編でフォローしていましたので得点できたという方も多かったと思います。

また、一般知識が、この形式で実施されるのは今年で最後となります。
来年は、行政書士法などの新しい科目が出題される予定です。

8. 終わりに

法令科目については、まず、択一式については、ここ数年の平均値という印象でした。
もしくは、少し易しいかもしれません。

行政法、民法については、難しい知識も散見されますが、全体としては平年並みの難易度、もしくは少し易しい印象でした。
また、多肢選択式も記述式も同様に得点できた方が多いのではないかと思います。

なお、基礎法学・憲法は難しい印象であり、これに対して、商法は例年よりも易しかった印象です。今後も、この傾向が続くのかは、もう少し注視が必要だと思います。

しかし、いずれの科目でも、条文、判例、過去問の基本的な学習を何度も繰り返して知識を精緻にしていれば、合格基準点はクリアできる内容だと感じました。
そうだとすると、今後も、難問・奇問に惑わされずに学習を進めることが大切でしょう。

最後に、一般知識分野ですが、こちらは昨年までと同様に多くの方が合格基準点に達することができると思います。
すなわち、文章理解を核として、全体の難易度が下がり、現場思考でも得点できる内容の出題が多かったです。

以上で、講評を終わります。

受験生の皆様、本当にお疲れ様でした。



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