平成28年度 総合旅行業務取扱管理者試験の講評

試験講評

平成28年度 総合旅行業務取扱管理者試験の講評

2016/10/14

今年の総合旅行業務取扱管理者試験が10月9日に実施されました。

受験された方、お疲れ様でした。
出題数、分野、配点などは例年と同様で、形式的な面に変化はありませんでした。
以下、午前の部と午後の部について簡単に印象を記します。

旅行業法

旅行業法は、旅行業法・同施行規則の条文に即して出題されるため、毎年同じような問題が出題されています。そのため、合格に必要な知識も30項目くらいチェックしておけば十分です。
今年もその範囲内の出題でした。

ただ、例年「すべて選びなさい」という出題が多く、今年も25問中で14問出題され、これまでで最多になりました。特に今年は、4つの記述のうち、3つ以上選択する問題がほとんどで、受験中に「本当にこれでいいのかな?」と不安に感じた方もいらっしゃったのではないでしょうか。

それでも合格基準は6割ですし、あらかじめこのような特徴のある科目であることを意識して、正確な知識の定着に努めていれば、失点は少ない問題でした。

約款

約款のうち、標準旅行業約款も過去の出題と同じような「定番」といえる問題がほとんどでした。ここで合格点を確保することは十分可能です。後半の航空約款、宿泊約款は初めての出題項目がありましたが、二択であるため、大きな失点はないと考えられます。

来年受験される方は、この両科目についてはこの点を念頭に置いて「一定の問題量を解く時間を確保する」ことが重要であるとお考えください。

国内実務

国内実務のうち観光地理の出題は、主に過去に出題された観光地に、その年に話題になった観光地を少し加える傾向があります。後者に属する問題として、今年は、新たに世界遺産に登録された「国立西洋美術館」、春から登場した「現美新幹線」、NHKの大河ドラマの舞台である「上田城」、伊勢志摩サミットが開催された「英虞湾」が出題されました。いずれも深い知識は要らず、ニュースなどの記憶で対応できるでしょう。学習の多くは過去に出題された観光地を確認することになります。

ただ、過去に出題された観光地であっても、地理が苦手な方にとって暗記は味気ない作業になり、効率が悪いです。ここをどう工夫して5~6割程度得点できるかが多くの方の課題です。

国内実務の運賃・料金は例年と同じ出題パターンでした。最初が航空運賃。小児の取扱いと各種の割引運賃の知識を問うものでしたが、「旅割45」の取消し、払戻し額を問う問題は、取消料が50%か60%で迷ったかもしれません。

JRの運賃・料金に関してはほぼ予想どおりの問題でした。「本州と北海道の境界駅」「のぞみ号の差額」「通過連絡運輸」「乗継割引の適用」「JR券の払戻し」「JR時刻表の読み取り」等は毎年出題されています。今年、この分野では「北海道新幹線」が大きなテーマですが、関連した問題が3問出題されました。昨年と同様に、ランクの異なるグランクラスを利用する行程が、今年は東北新幹線と北海道新幹線にまたがって利用する行程で出題されています。時刻表の記号を用いるなど工夫がありました。

よく分からなければ、この分野は2問~3問は「捨て問」があってもよいと思いますので、無理に時間を使う必要はないでしょう。

海外実務

最初の国際航空運賃は、例年通り作業量の多い分野でした。特に第1問の、往路と復路でシーズナリティーが異なる運賃規則は、復路にも往路の運賃を適用しないよう注意深く確認しなければなりません。また、「土曜日の滞在を含む」「変更不可」「運賃計算例外規定:なし」など、解答に際して重要な項目については、あらかじめ色鉛筆などを用意して、マークしておいた方がよいかもしれません。緊張した中で解くと難しい問題ですが、自宅で時間をたっぷり使って解き直せばもっと易しく感じると思います。今頃は「なんであんなミスをしたのだろう」と悔しい思いをしている方が多いのではないでしょうか。

続く、出入国関連の問題はこれまで出題されたテーマばかりでした。ただし出題形式は8問中7問が「すべて選びなさい」のタイプでした。「a.(ア)(イ)」のような選択肢ではないため、選択肢の比較対照ができず、例年以上に正確な知識が必要です。一見変化がないようですが、このような点で難易度が上がったのではないでしょうか。

英語は例年より易しかった印象を受けます。文章のテーマが明確で、選択肢を一読しておけば意味は追い易い文章です。また、come into existence やdueの意味を問うなど、これまでも同じような出題がありました。時間に余裕があればこの問題だけでも見ておけばよかったのではないでしょうか。

観光地理は、時間との関係で十分な検討ができないかも知れません。今年は前半に著名な観光地からの出題がありましたので、自信を持って選択できる問題が少し多かったようです。ただし、後半の組合せ問題は、1問2点ということを考えると時間をかけてはいけないと思います。

旅行実務は、例年より難しいように感じます。特にサンノゼ(SJC)までの飛行時間を問う問題は、サンノゼが何処の都市であるかを知らなければ、せっかくマスターした飛行時間の計算の知識を生かせません。(文字通り ♪ Do you know the way to San Jose. です。)
また、DAD,SVQ,LOの記号やADAroom など、解答に必要な知識が例年より多かったようです。この分野を問題番号通りに最後に残すと、十分な検討ができなかったかもしれません。

来年の受験をお考えの方に

来年の受験を考えてこれをお読みの方は、以下の点に留意してください。

この試験は、難しい理屈や理論を問うものではありません。重要な条文・規則を正確に頭に入れることと、短時間でそれらを適用する事務処理能力を身に付けることが重要です。

H27年は4科目受験の合格率が12.2%になりました。今年もほぼ同様か、さらに少し低下するかもしれません。この原因は上記の内容がなかなか難しい点にあり、今年はその傾向がより進化しました。

短期間で合格できる人もいますが、そのような方は「集中と反復」がうまくいったのでしょう。多くの情報を頭に入れて、かつ短時間で処理できるかどうかがカギになりますので、来年の10月までのスケジュールを調整することが今は重要です。

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