社会保険労務士の久保英信さんにインタービューをしました。

実務家密着取材

直撃インタビュー
社会保険労務士 久保英信さん

社会保険労務士・中小企業診断士

久保英信さん

人事労務分野での経営者のパートナーとして、一つ一つの仕事を丁寧に対応

1971年 石川県金沢市で出生
1994年 日本大学法学部政治経済学科卒業
1996年 社会保険労務士試験に合格
1999年 社会保険労務士として登録
2000年 大手不動産会社系列の人事シェアードサービス会社に入社。中小企業診断士登録
2004年 退職
2005年 IT関連企業に入社後、人事を担当
2008年 退職後、独立
社会保険労務士・中小企業診断士・久保事務所開業


URL : http://www.kubo-office.jp

中小企業診断士の資格を有し、社会保険労務士であると同時に経営コンサルタントとしても活躍する久保英信さん。20代から開業を見据え、さまざまな規模の会社に勤務し、自身の就業経験から創業期の会社やIT関連のベンチャー企業特有の経営課題に精通しています。現在、秋葉原を拠点に、『人』を入り口に手続き業務、給与計算、労働法務、人事戦略、人事制度に至るまで、幅広く展開しています。

挫折からスタートした社会保険労務士への挑戦

久保さんが大学を卒業した時期は、バブル崩壊後の1994年。いわば、『就職氷河期』のはしりにあたります。

「今ほど酷い就職難ではなく、中堅のゲームソフトメーカーに、新卒で入社しました」

しかし、久保さんが実際に入社し、真っ先に感じたのは、プログラマーとしての自身の適性に対する疑問でした。「決断が早すぎるのではないか」。そう迷いながらも、入社1年足らずでその会社を退職を決意。

「単に『第二新卒』として就職活動をしたところで、これといった特徴もアピールできる要素もないと思い、25歳までの間に他の人と違う何かが必要だと感じ、国家資格を取得しようと思いました」

数ある資格の中から、敢えて社会保険労務士を選んだ理由は、「税理士や弁護士と同様、独占業務が明確で、将来的には独立したいと思っていたから」。勉強の負担にならないよう、アルバイトをしながら2度目のチャレンジで合格を果たします。


コンサル系国家資格を取得しつつ、重視したのは実務の積み重ね

就職活動で社会保険労務士の資格が評価されて、再就職することができました。業務の傍らコンサルタントの国家資格である中小企業診断士の資格も取得。その後、大手不動産会社系列の人事業務シェアードサービス会社へ転職します。


「『人』に関する仕事についての見識を深め、領域をひろげた上で、社会保険労務士として開業することを目標としていました。そのためには、社会保険労務士事務所に入所するか、企業の人事部門で、経験を積むかのいずれかを考えられたのですが、仕事の広がりを考えると、一般企業の方が面白そうだと思い、歴史のある大企業の人事部門が分社化して設立された、人事管理業務を専門に行う会社に転職することにしたのです」

労働・社会保険をはじめとする各種手続き、給与計算、人事評価、人材採用、労務管理の経験を積み、さらに、日本の伝統的な人事制度である、職能資格制度も現場で覚えていきます。日本の企業で行われている人事管理のモデルのような会社で経験を積んでいくことができました。そして、今度は新興企業における人事業務を経験したいと考え、インターネット関係のベンチャー企業に転職。子会社の新設や企業グループ再編、M&A関連業務といった企業グループ人事管理に従事し、着々と経験値を上げた後に、独立します。

ひとつひとつの業務を丁寧に、きめ細やかなサービスを

開業後、久保さんが真っ先に行ったのは、ホームページの開設。ネットの集客力をアップするため、社労士のポータルサイトにも登録。さらに、ダイレクトメールも試みたといいます。

「何の伝手もないまま独立したので、開業当初は本当に仕事がありませんでした。不安は不安でしたが、会社員時代に仕事がなくても食べていけるように蓄えをしておきましたから、『これだけ時間が余っているのは今だけだ。』と、開き直り、近所を散歩したり、お金のかからない趣味をして過ごしました」

社会保険労務士会の支部から依頼される自治体の年金相談や他士業からの紹介、ネットからのアプローチで、徐々に仕事も増加。顧客との信頼関係の構築・維持を重視する久保さんの事務所では、スポット案件が顧問契約に結び付くケースがとても多いといいます。

「常に心掛けているのは、サービス業という意識です。会社も、人も、日々刻々と変化します。お客様の情報をデータとして数値化し、蓄積し、客観的に経営判断できる材料を増やすこと。お客様のあるべき理想、将来像、社会的地位を勘案し、会社の成長・繁栄につながるご提案をすることが、私のミッションです。個々のお客様の状況をその都度、正確にお伺いし、きめ細やかなサービスをご提供できるよう配慮しています」

提案次第で新規参入が可能な「社会保険労務士業」

「社会保険労務士にならなかったら、今頃何をしていたかわからない」と話す久保さん。中小企業から大企業まで、さまざまな業態、職種を経験したことが糧となり、柔軟な姿勢で人事や労務の仕事に対応できるようになったそうです。

「社会保険労務士業界は、法人の関与率もまだまだで、個人からの業務を受託している同業者もそう多くはないのが現状だと思います。言い方に問題があるかもしれませんが、社会から必要不可欠な存在とまで認知されているとは言えない状況ではないでしょうか。逆を言えば、まだまだ仕事を開拓する余地があるともいえます。提案の仕方次第で、新規参入が可能な業界であると考えます。」

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