第51回(平成29年度)通関士試験内容の講評

試験講評

第51回(平成29年度)通関士試験内容の講評

2017/10/04

10月1日に、平成29年度通関士試験が実施されました。

受験された方、お疲れ様でした。
今年度の試験については、トータルとして見ると、「通関業法」および「関税法等」は、過去問をマスターできていれば、合格基準を超える得点が取得できる難易度でした。
また、近年は難化傾向だった「通関実務」は、根本的な知識が習得できていれば、正解できる難易度となっていました。

「合格基準」については、過去問の知識および標準的な知識の出題内容を踏まえると、標準的な基準である「(各科目)満点の60%以上」と予想されます。


「通関業法」について

通関業法は、今年は法改正があった関係で、過去問の知識をアップデート(法改正対応)していない受験者は混乱した問題があったものと推測されます。一方で、法改正対応の学習ができた受験者にとっては、例年並みの難易度となりました。

まず、【(語句)選択式】については、全体的に易しいものでした。各問で4点、5点が安定して取れる内容でした。

【(多肢)選択式】及び【択一式】については、各肢とも過去問をマスターできていれば、多少迷う問題はあったとしても、正解にはたどり着ける内容でした。
比較的正解しにくかった問題としては、「第14問(営業所の新設に係る許可の特例)」「第16問(通関業の許可の地位の承継)」「第17問(通関業の許可に係る変更等の届出)」がありました。


「関税法等」について

まず、【(語句)選択式】については、過去問ベースの出題が中心でした。ただし、出題の切り口が新規なものもあったため、知識はあるものの、語群を見て混乱し不正解となった受験者も多かったものと思われます。

【(多肢)選択式】及び【択一式】については、過去問ベースの肢と直近では出題されていなかった規定に基づく肢が混在する問題構成でした。過去問演習ではインプットできなかった知識であっても、制度内容から推測して正解できる問題もありました。その点で、「現場思考」が試された問題内容と言えます。

正解することが難しかった問題としては、「第19問(関税の納付及び徴収)」「第21問(過少申告加算税、無申告加算税及び重加算税)」「第22問(経済連携協定における関税についての特別の規定による便益に係る税率及びWTO協定税率の適用を受けるための手続)」がありました。


「通関実務」について

まず、輸出申告書および輸入申告書の作成ともに、オーソドックスな問題でした。統計品目表および実行関税率表をもとに貨物の分類をする視点を習得できていれば、正解することは比較的容易だったといえます。

次に、【(多肢)選択式】及び【択一式】については、過去問ベースの肢と直近では出題されていなかった規定に基づく肢が混在する問題構成でした。過去問演習ではインプットされていなかった知識であっても、制度内容から推測して正解できる肢もありましたので、現場思考で正解できたものもあったと推測します。

正解することが難しかった問題としては、「第7問(オーストラリア協定における関税についての特別の規定による便益に係る税率の適用を受けるための手続)」「第16問(関税率表第16類に属さないもの)」「第17問(スイス協定における関税についての特別の規定による便益に係る税率の適用を受けるための手続)」がありました。

最後に、【計算式】については、全体的には過去問をマスターできていれば正解できるレベルのものでした。この観点から、【計算式】の問題で得点を稼ぐべきだったと言えます。