ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

フィデューシャリーデューティ(年金編)

フィデューシャリーデューティ

皆さん、こんにちは。
講師の伊藤です。

昨今耳にする機会が多くなった「フィデューシャリーデューティ」。
フィデューシャリーデューティとは、
金融庁のモニタリング基本方針では、「他者の信認を得て、一定の任務を遂行すべき者が負っている幅広い様々な役割・責任の総称」
となっており、いわば顧客の視点にたった金融サービスを提供できているかどうかの規範ととらえることができます。
このフィデューシャリーデューティについて、複数回に分けて解説をしていきます。
FPとして(FPになった場合に)、顧客本位の説明ができているかどうか、
販売等行っているかどうかが問われているのです。

今回は年金関連について解説します。

■確定拠出年金のアドバイスはどのように行っているか?
運用という観点で年金を考えると、真っ先に確定拠出年金が思い浮かぶことでしょう。
お客様にとっては、老後資金の一部として重要な運用となることから、
顧客本位の提案やアドバイスが当然求められることになります。

例えば、下記の点について確定拠出年金などの提案時に行っているかどうか確認すべきです。
①加入時の提出書類の記入のサポートをしっかりできているかどうか、
②運用の途中や売却といった出口戦略に際してアドバイスを行っているかどうか。
加入時から運用終了時まで面倒を見て初めてコンサルティングが完結といえますが、
果たしてそこまでできるのかどうか。
特にiDeCo(個人型確定拠出年金)の場合には、投資教育が置き去りになっている側面もあり、
運用時の途中経過のアドバイスなどが少ないといえるのかもしれません。
また、iDeCoのアドバイスなどでよく見受けられるのが節税面を強調すること。
確かに節税には使えますが、その資金を拠出することで生活に支障がでないかどうか、
運用面で問題はないかどうかなど資産全体から見たアドバイスも必要になります。
木を見て森を見ずのようなアドバイスになっていないかどうか確認してください。

■受け取り時にもしっかりアドバイスを行おう
そして年金受け取り時のアドバイスも重要です。
これから増えると想定されるのが、確定拠出年金などの年金受け取りです。
年金の受け取り方がよくわかっていない方も多く、
すべて年金で受け取るべきか、一時金で受け取るべきか悩まれる方も多いことでしょう。
こうした場合に、どのように年金を受け取るべきか、
受け取り方で税金に差が出る面などアドバイスができることが望ましいです。
お客様の状況や考え方次第にはなりますが、加入時から受け取り時まで望ましい年金の運用、
受給の仕方をできるように提案、フォローをしていただきたい(フォローできるようになっていただきたい)と思います。

<過去問題の演習>
3級・2級受験者、いずれも解いてみてください。
次の各文章を読んで、正しいものまたは適切なものには①を、誤っているものまたは不適切なものには②を、解答用紙にマークしなさい
【問題1】
定期保険特約付終身保険では、定期保険特約の保険金額を同額で自動更新すると、更新後の保険料は、通常、更新前よりも安くなる。

<解答> ✕
定期保険特約の保険金額を同額で自動更新すると、更新後の保険料は、通常、更新前よりも高くなります。

【問題2】
損害保険の保険料は純保険料と付加保険料で構成されており、このうち付加保険料は、
保険会社の事業を運営するために必要な費用や代理店手数料などに充当される。

<解答> ○
付加保険料は保険会社の経費などに充当されます。純保険料は保険金支払いに充当されます。

いかがでしたでしょうか?
それではまた次回、お楽しみに★