ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

65歳以降の老後資金について

60代のご夫婦

明けましておめでとうございます。
フォーサイトFP専任講師の伊藤です。

昨年に続き、人生100年時代を踏まえた資産運用提案⑤について解説していきます。
今回は60代のご夫婦のケースを紹介します。

65歳夫、妻60歳、子どもは社会人となりいよいよ第二の人生を楽しむ時期に来ました。
今後の老後資金計画をどのように考えていけば良いでしょうか?

65歳を一つの区切りとして考え、
その後の人生を楽しむプランを検討する方も多いことでしょう。
この際に、どの程度の資金が貯まっているかによってリタイアメントプランの想定も変わってきます。
老後に使うと想定した資金を目標通り貯めることができているというケースであれば、
あとは増やす視線よりも守る観点からその後の資金計画を行うべきです。

このケースでは、もし皆さんがFPとして説明するのであれば、預貯金を主体に、
運用するとしても公社債投信や個人向け国債など安定性を重視した資金運用をアドバイスしましょう。
もちろん、余裕資金が多くある方は、一般のNISAを利用して5年間非課税の恩恵を受けるのもありです。

一方で、65歳到達時に目標金額の確保ができていない場合にはどのように考えていけばよいでしょうか。
この場合には、目標金額に対して不足する金額がいくらかをまず算出します。
仮に目標金額を特に考えてこなかった方には、
第一回目の解説にもあったように最低でも1450万円は必要との旨説明し、
それに対していくら足りないのかを最低ラインとして考えていきます。

現在では、例えば70歳まで働くという選択肢も可能であり、
場合によっては働くことも検討しつつ、不足分をまかなえるような資産運用提案を行ってみましょう。
不足額にもよりますが、キャッシュフロー表により残りどれぐらいの期間までは問題ないのか、考えていきます。

例えば10年後には資金を増やしておきたいということであれば、
最長10年間の運用を検討していきます。
そして、毎年3%の利回り目標などと決め運用設計を行います。
世界は平均して3~4%で成長していることから、
世界株式投信(インデックス)などの運用を検討し、
基本的には預貯金と公社債投信を軸に考えていきます。

また、運用後、ある程度目標金額に到達した場合にはそこで運用をストップすることも検討していきましょう。
10年間は運用すると決めるのではなく、10年間の間に目標金額を達成したらそこでストップすることを優先するのです。

これは、目標金額確保を第一の目的としているためです。
その後の運用でさらに増やすというよりも着実に老後資金を形成することを優先するようにアドバイスしていきましょう。こうした説明により、FPとしてお客様からの信頼も着実に得られるといえるのではないでしょうか。

<過去問題の演習>
3級・2級受験者、いずれも解いてみてください。
次の各文章を読んで、正しいものまたは適切なものには①を、誤っているものまたは不適切なものには②を、解答用紙にマークしなさい
【問題1】
宅地建物取引業法に規定される宅地または建物の売買の媒介契約のうち、( ) では、依頼者は他の宅地建物取引業者に重ねて媒介の依頼をすることができる。
1) 一般媒介契約
2) 専任媒介契約
3) 専属専任媒介契約

<解答> 1
一般媒介契約とは、不動産売買などを複数の宅地建物取引業者に依頼する際に利用する媒介契約です。専任媒介契約と専属専任媒介契約は、宅地建物取引業者1社のみに依頼するものであり、このうち専任媒介契約では自己発見取引が可能であるが、専属専任媒介契約では自己発見取引はできません。

【問題2】
宅地建物取引業者は、買主が宅地建物取引業者ではない宅地・建物の売買の媒介に際して、当該宅地・建物の買主に対して、売買契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項について、これらの事項を記載した書面を交付して説明させなければならない。

<解答> ○
不動産売買契約締結までの間に、重要事項説明書の説明を行うことができるのは宅地建物取引士のみです。重要事項説明書には、権利関係、物件の属性、取引条件などが記載されており、宅地建物取引士が重要事項の説明を怠った場合、宅地建物取引業者が業務停止処分の対象となります。

【告知】
2019年1月21日、宝島社より「ゼロからはじめる! お金のしくみ見るだけノート」監修本が発売されます。もしよろしければお読みいただけたら幸いです。感想もお待ちしております。初心者向けの本です。

ゼロからはじめる-お金のしくみ見るだけノート-伊藤-亮太

いかがでしたでしょうか?
それではまた次回、お楽しみに★