ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

30~40代の教育にかかる費用を知る

皆さん、こんにちは。
フォーサイトFP専任講師の伊藤です。

今回から、教育資金に関する相談内容について解説していこうと思います。
教育資金で悩むご家庭の多くは30~40代です。
そのため、30~40代の教育資金に関する相談を取り上げ、どんな悩みが多いのか、
またそれに対してどのようにアドバイスしていけばよいのか、
解説していきたいと思います。

■教育にかかる費用を知る
教育に関する相談でもっとも多いのが、
いつまでにどの程度の資金を準備しておくべきか?という点です。
そこで、大学卒業時までにどの程度の資金がかかるのか、
統計データをもとに確認していきましょう。

文部科学省「平成28年度子どもの学習費調査」によると、1人の子どもにかかる教育費
(学校教育費、給食費、塾や参考書代など含む)は、幼稚園から高校まで公立の場合で
540万円ほどかかる見込みです。高校だけ私立の場合には715万円、
すべて私立の場合には1,769万円かかることが判明しています。
一方、日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査結果(国の教育ローン利用勤務者世帯(平成29年度))」によれば、大学生の教育費総額は、国立大学(4年間)で503万円ほどかかる見込みです。
私立文系の場合で738万円、私立理系の場合には808万円となっています。
つまり、高校まですべて公立、大学は国立の場合でも教育費は1,043万円ほどかかるとわかります。
様々な進路パターンがありえますが、仮に幼稚園から大学まで私立で、
大学は私立理系(4年間)の場合ですと、2,587万円にもなります。

■どのような進路でも困らないように教育資金の確保を
さらにいえば、大学院の進学を行う場合や、下宿をする場合にはこれ以外に別途費用がかかります。
考えたらきりがないとはいえますが、お子様がどのような進路をとってもよいようにある程度の教育資金の確保をしておく必要があるといえます。

もし皆さんがFPであるとしたら、お客様(もしくはご友人、ご家族)にはお子さまの進路をどう希望されているかを聞き、それに基づきどの程度の資金が最終的にかかりそうか話をしてみましょう。
なお、一度にまとめて貯める必要はありません。
一般的には、中学校卒業時までに高校と大学の教育費がある程度カバーできるようになっている、もしくは高校卒業時までに大学の教育費がある程度カバーできるようになっていれば、資金的に不足する可能性は低いといえます。
毎年その都度教育資金を用意していくよりは、事前にある程度資金が貯まっている方が様々な進路にあわせて資金面で対応ができるようになります。
そのため、ギリギリの資金を見積もるのではなく、
余裕のある資金計画をすべきといえます。
次回は、教育資金の貯め方、運用の仕方について解説していきます。

<過去問題の演習>
3級・2級受験者、いずれも解いてみてください。
次の問題に答えなさい。○✕、3択問題

【問題1】
相続税は、相続税の申告書の提出期限までに金銭により一時に納付することが原則であるが、所定の要件を満たせば、延納による納付方法も認められる。

<解答> ○
相続税は、金銭で一時に納付することが原則です。ただし、相続税額が10万円を超え、金銭で納付することを困難とする事由がある場合には、延納により最長20年まで分割払いによる納付が可能です。また、延納でも金銭で納付することが難しい場合には、納税者の申請により、その納付を困難とする金額を限度として相続財産による物納も認められています。

【問題2】
遺留分算定の基礎となる財産の価額が1億2,000万円で、相続人が被相続人の妻、長 女、二女の合計3人である場合、妻の遺留分の金額は( )となる。
1) 2,000万円
2) 3,000万円
3) 6,000万円

<解答> 2
遺留分は、残された相続人に認められている最低限保証された相続割合です。兄弟姉妹や相続放棄者には遺留分はなく、配偶者・子は法定相続分の1/2、父母は法定相続分の1/3が遺留分に該当します。
本問の場合、妻の遺留分は法定相続割合1/2の1/2、つまり相続財産の1/4が遺留分となるため、1億2,000万円×1/4=3,000万円となります。

【告知】
2019年1月21日、宝島社より「ゼロからはじめる! お金のしくみ見るだけノート」監修本が発売されます。もしよろしければお読みいただけたら幸いです。感想もお待ちしております。初心者向けの本です。

ゼロからはじめる-お金のしくみ見るだけノート-伊藤-亮太

いかがでしたでしょうか?
それではまた次回、お楽しみに★