ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

実務で使える話①-平均単価を下げる

株価

皆さん、こんにちは。
フォーサイトFP専任講師の伊藤です。

2019年3月号は、
「実務で使える話①-平均単価を下げる」について解説していきましょう。
皆さんがFPになったらもちろんのこと、
ご自身の資産運用についても役立てていただければ幸いです。

1年ほど前の株価を振り返ってみましょう。
2018年のはじめ頃は、日経平均が23,000円前後と堅調であったことから、
景気に関しても強気の見通しの方も多かったことでしょう。
日本経済の好調さや東京オリンピックを期待して
その頃に日本株のインデックスファンドをお買いになった方も多いと思われます。
そして、昨年末の株価急下落で心配になった。
そんなお客様にはどのようなフォローを行っていけばよいでしょうか。

■投資指標から見れば割安である
まず、投資指標から見た日経平均株価は割安であると言ってよいかもしれません。
2019年3月1日段階における日経平均株価の予想PERは12.36倍。
これは悲観的な状況といっても過言ではありません。
本来はPERが13~14倍はあってもよいためです。
米中の関税戦争が重しになっており、
それが日本経済にも悪影響を与えているからでしょう。
仮にPERが14倍であれば、日経平均は24,469円ほど(2019年3月1日現在)。
もし米中関税戦争が良い方向に終結すれば、上がってもおかしくない目線にはなります。
そのため、こうした考え方をお客様に説明し安心感を与えることを心がけてみましょう。
そして、指標面で割安であるのであれば、追加購入を行い単価を下げ、
上昇した場合に備えるといった方法はどうかと提案するのも一手です。
そのまま単に保有するだけであれば、上がるまでひやひやドキドキですが、
単価を下げることができればそうしたヒヤヒヤも収まり、
期待感も持ちつつ落ち着いて行動できることでしょう。
また、まとめて購入はリスクがあると感じたお客様には、
例えば毎月定額を買うことで上げ下げに備える方法(ドルコスト平均法)も
有効である旨フォローしていきましょう。
お客様のことを思い、お客様のためを思えば、
こうしたフォロー&提案は自然のことであり、
お客様からの信頼感も得られることにつながるでしょう。
平均単価を下げることで、利益が得やすくなります。
ただし、最後に平均単価より上昇していないと意味がないため、
今後の成長が見込める地域や国、投資商品で活用するようにしてください。

<過去問題の演習>
3級・2級受験者、いずれも解いてみてください。
次の問題に答えなさい。○✕問題

【問題1】
国内総生産(GDP)は、一定期間内に生産された付加価値の総額を示すものであり、
日本企業が外国で生産した付加価値も含まれる。

<解答> ✕
国内総生産は、一国内で一定期間内に生産された付加価値の総額を示すものです。
日本企業が外国で生産した付加価値は含まれません。

【問題2】
投資信託におけるパッシブ運用は、経済環境や金利動向などを踏まえ、
ベンチマークを上回る運用成果を目指す運用手法である。

<解答> ✕
ベンチマークを上回る運用成果を目指す運用手法は、アクティブ運用です。
パッシブ運用は、ベンチマークと同等の成果を目指す運用手法になります。

いかがでしたでしょうか?
それではまた次回、お楽しみに★