ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

リスク許容度は、どのように見極めて共有すればいいか?

皆さん、こんにちは。
フォーサイトFP専任講師の伊藤です。

今回は、投資目的・期間・リスク許容度はこう確認しよう(その③)について
説明していきます。FPとして活動する際の参考にしていただければと思います。
リスク許容度の考え方について説明していきます。

③お客さまのリスク許容度は、どのように見極めて共有すればいいか?
リスク許容度に関しては、目的・期間・目標金額から推測可能です。
仮に、目的:老後資金、期間:10年、目標金額:1,000万円を1,200万円に、
といった具合で考えを聞き出すことができれば、お客様の純粋な思考が判明します。
目標金額をお客様から聞き出すことで
どの程度のリスクをとってもよいか聞き出すのです。
(それが正しいかどうかはこちらで修正しアドバイスを行います。)
年間で1~2%の運用を行えばよいのか、5~6%の運用を行えばよいのか、
運用期間が短いのか長いのかでリスクに対する思考はある程度把握可能です。

ただし、資産運用についてよくわからないまま希望を述べるケースもあります。
そうした場合には、リスクとリターンの関係を説明する
(どの金融商品がリスクが高いのかどうかといった表を用いる)とともに、
万が一資産運用でかんばしくない結果になったとしても
その他の資金でリカバリーできるかどうか聞いてみましょう。
余裕資金での運用であれば、どちらかといえばリスクはとってもよい。
ただし、減らしたくないという希望があれば保守的な運用にとどめる必要があります。

年齢によっても異なることでしょう。
30年などの長期投資であれば、日々の変動に一喜一憂することはありません。
そうした認識のあるお客様であればリスクが高くても
平均的な収益率が高まればよいという発想で運用も可能です。

繰り返しになりますが、最終的にはお客様が運用の考え方を理解し、
リスクとリターンの考え方を把握したうえで運用をスタートすべきです。
お客様自身が数字・考え方が明確になれば、大きなブレは生じないでしょう。
もしブレが生じることがあれば、フォローをすかさず入れることで、
お客様に安心感を与えることに徹するべきです。

<過去問題の演習>
3級・2級受験者、いずれも解いてみてください。
次の問題に答えなさい。三択問題

【問題1】
株式の投資指標のうち、PBRは「株価÷( ① )」、
PERは「株価÷( ② )」の算式によって求められる。
1) ① 1株当たり純利益 ② 1株当たり純資産
2) ① 1株当たり純資産 ② 1株当たり純利益
3) ① 1株当たり純資産 ② 1株当たり配当金

<解答> 2)
PBR=株価÷1株当たり純資産、PER=株価÷1株当たり純利益
ROE=当期純利益÷自己資本×100
こうした計算式は必ず覚えてください。

【問題2】
A資産の期待収益率が2.0%、B資産の期待収益率が4.0%の場合に、
A資産を40%、B資産を60%の割合で
組み入れたポートフォリオの期待収益率は、( )となる。
1) 1.6%  2) 3.0%  3) 3.2%

<解答> 3)
ポートフォリオの期待収益率
=A資産の期待収益率×割合+B資産の期待収益率×割合
=2.0%×0.4+4.0%×0.6
=3.2%

いかがでしたでしょうか?
それではまた次回、お楽しみに★