ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

フィンテックなど最新動向③

Q:短期投資でAIには勝てなくなってきているというのは本当でしょうか?

■AIを活用した投資信託も提案に入れてみる
皆さんこんにちは。ファイナンシャル・プランナーの伊藤亮太です。
現在、AI(人工知能)を活用した運用が広がっています。

AIは、過去の取引や企業業績、株価動向などをもとに、様々な経験則を把握します。
その結果、株価の動きなどから、パターンを読み取り売買することで
収益を上げることが実際に可能となっているのです。

AIが人間の運用に勝るのは、特に短期売買のケースといわれています。
人間とは異なり、感情に左右されずに運用ができるのがAIの強みです。
高速取引により、人間では不可能な短時間での売買を行います。

人間の場合、買うか売るか迷うその判断が失敗につながることがあります。
そうした迷いもなく、パターン化することで売買を決めるため、
それが結果的に効率の良い運用をもたらしていると考えられます。

もちろん、すべてがAIが勝つというわけではありません。
これまでに想定されていなかったような危機が生じるといった場合には、
むしろAIでは対応できず苦戦することもあることでしょう。

コロナウィルスによる株価ショックは、
もしかしたらAIの方が運用は苦戦した可能性もあります。

一方で人間による運用の場合、明確なビジョンを持ち、
長期投資を目指せばAIに勝てる可能性は十分あると考えられます。
コロナショック時においても、これはあくまでも一時的なものであり、
ある程度共存しながら生活するようになり元通りになっていく。

そう発想できたかたは、むしろコロナショックによる
株価下落時に果敢に買いに向かっていったことでしょう。
その結果、株価はある程度値を戻し、含み益が膨らんだ投資家も多くいると思います。

短期売買ではなかなかAIに勝つのが難しくなってきてはいるものの、
長期投資ではまだまだ人間の方が俯瞰できる力を持っているように思います。
いずれにおいても、AIとは異なる、人間らしさをもった運用を行っていくことで
差別化を図り収益を得ることは今も可能だと思います。
AIにすべてを頼るというのは時期尚早でしょう。

なお、AIを活用した投資信託に、
三菱UFJ国際投信の「AI日本株式オープン」、
ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントの
「GSグローバル・ビッグデータ投資戦略」、
ヤフーから提供されるビッグデータをもとに
AIが投資判断を行うアストマックス投信投資顧問の「Yjamプラス!」などがあります。

FPとして活動することがあった場合、こうしたAIが運用・
投資判断を行う投資信託をお客様に提案してみるのも面白いかもしれません。

<過去問題の演習>
3級・2級受験者、いずれも解いてみてください。
次の問題に答えなさい。○✕問題

【問題1】
住宅を取得する際に長期固定金利住宅ローンの
フラット35(買取型)を利用するためには、当該住宅の建設費
または購入価額が消費税相当額を含めて1億円以下である必要がある。

<解答> ×
住宅を取得する際に長期固定金利住宅ローンの
フラット35(買取型)を利用するためには、当該住宅の建設費
または購入価額が消費税相当額を含めて8,000万円以下である必要があります。

【問題2】
国内銀行の支店において加入した一時払終身保険は、
生命保険契約者保護機構による補償の対象である。
<解答> ○
銀行で加入した生命保険も、生命保険契約者保護機構の補償対象となります。
なお、銀行で購入した投資信託は、投資者保護基金の補償対象にはなりません。

いかがでしたでしょうか?
それではまた次回、お楽しみに★

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10月~11月に本年4冊目、技術評論社より
『金融のしくみと仕事がこれ一冊で
しっかりわかる教科書A5判 240頁 2色』が発売予定です。

本書を読み、金融の仕組みを勉強し、
金融資産運用を苦手にしないようにしてみてはいかがでしょう。