Q.新型コロナウィルスに伴う家計相談にはどのようなものがありますか?
A.
新型コロナウィルスは、
自営業者を中心に多くのご家庭に負担を与え、
家計相談も2020年春先から急増しています。
特に、日々の資金繰りで苦労される自営業者の方からの相談が多く、
キャッシュフロー表の作成から、公的融資・制度の活用の相談、
中には債務整理に関連するものもあります。
債務整理関係は弁護士や司法書士の方に譲るとして、
ここでは飲食業を行うAさんのケースをもとに、
資金繰りの悪化に伴う対処の相談を記載します。
Aさんは、個人で居酒屋を営み、
コロナウィルスの流行前まではなんとかやりくりをこなしてきました。
しかしながら、コロナウィルス流行に伴い、客足は激減。
このままでは家賃も支払えなくなると心配し、
筆者のもとに相談に来た次第です。
Aさんには、まずは家計支援という観点から、
特別定額給付金(給付対象者1人につき10万円)を受け取ることと、
持続化給付金100万円をもとに数か月分の資金繰り対応を行います。
次に、売上減少が長期化した場合に備えて、
個人向け緊急小口資金と日本政策金融公庫から
新型コロナウィルス感染症特別貸付を検討しました。
最終的に、まとまった資金を借りることができる
新型コロナウィルス感染症特別貸付を選択し、
これにより600万円の融資を受けることができます。
返済期間は10年とし、
取り急ぎ資金繰りの不安は後退しました。
問題はここからです。融資は受けられたものの、
結局のところ売上が見込めなければ意味がありません。
そこで、今では多くの飲食業の方が実施している、
お弁当などテイクアウトの実施に踏み切ります。テイクアウトを実施し、
チラシを近隣に配布することによりこれまでの顧客とは別に新規開拓を行うことができ、
昼の売上がむしろ増加します。夜の売上はまだまだ昨年に比べると低迷しているものの、
テイクアウトの実施によりなんとか赤字から脱却することができました。こうして、
資金返済も問題なく行いながら、次の対策をどう行うか思案中です。
このような自営業の方は多くお見えではないでしょうか。
Aさんの場合は、資金繰りに不安がなくなったことに伴い、
勢いを取り戻すことにつなげられました。融資に躊躇される方も多いと聞きます。
しかしながら、多くの不安は資金繰りにあると思われます。
余分な悩みを抱えないよう、皆様もFP資格取得後、
是非お客様などに何か不安なことはないか積極的にお声がけください。
<過去問題の演習>
3級・2級受験者、いずれも解いてみてください。
次の問題に答えなさい。○✕問題
【問題1】
特定受給資格者等を除く一般の受給資格者に
支給される雇用保険の基本手当の所定給付日数は、
被保険者期間が20年以上の場合、180日である。
<解答> ✕
特定受給資格者等を除く一般の受給資格者に支給される
基本手当の所定給付日数は、被保険者期間が20年以上の場合、150日となります。
【問題2】
70歳以上の者は、厚生年金保険の適用事業所に勤務していても、
原則として、厚生年金保険の被保険者とならない。
<解答> ○
厚生年金加入者は、
厚生年金保険の適用事業所に勤務する70歳未満の者となります。
いかがでしたでしょうか?
それではまた次回、お楽しみに★