ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

人生100年時代を踏まえた資産形成②

25歳男性、独身。今後結婚するときも視野に入れて資産運用で老後資金を確保したい。どのように考えればよいですか?

皆さん、こんにちは。ファイナンシャル・プランナーの伊藤亮太です。

前回、人生100年プランでは、現状の公的年金を受給できたとしても1400万円ほどが不足する旨お伝えしました。今後の少子高齢化を考慮すれば、これ以上の資金を貯めておく方が無難といえます。

そこで、20代のお客様にはどのような提案ができそうか、解説していきます。20代のライフプランは多様化してきており、結婚をするかしないか、キャリアプランをどうするかなど考え方、価値観によって異なってきます。

とはいえ、老後資金に関してはどなたも共通事項です。まだ考えなくてもよい、というお考えの方もいると思われますが、早め早めに行動しコツコツ貯める、増やすことは悪いことではありません。少しでも老後に不安のあるお客様には、是非老後資金運用の提案を行ってみましょう。

例えば、現時点における老後資金不足額は1400万円ほどだが、実際にはこれからさらに資金を貯めておいた方がよい。最低でも2000万円は確保するように設計しましょう、と伝えます。特に退職金支給がない方は、自助努力で老後資金を構築することが求められます。

65歳までに資金2000万円を確保すると考えた場合、25歳から運用を開始すれば40年ほど時間があります。毎年どの程度の資金を貯め、投資に回せば良いでしょうか。

ここでは、年3%の運用利回りを目標とし、毎年同額を貯め投資に回すとして考えます。減債基金係数を利用して、毎年確保すべき金額を求めると、年26万円ほど必要と計算できます。つまり、月に22,000円程度を貯めその貯まったお金を毎年投資していけば40年後には2,000万円が貯まると想定できます。

税金等も考慮しなければなりませんが、とはいえ月に2~2.5万円程度であれば20代でも頑張ればなんとか運用にまわせる資金といえるのではないでしょうか。この金額を一つ目標に、例えば背伸びできるなら月3万円ずつ運用してみませんか?と提案します。

このとき、年3%利回りを目標にしていますので、株式投信や外債投信なども組み込み利回りを得ることも提案します。1万円を日本株投信に、1万円を外国株式投信(インデックス)に、1万円を外国債券投信にといった具合です。

20代のメリットは、時間を味方につけることができること。長期投資による時間分散、銘柄分散は効果を発揮することでしょう。そして毎月投資を行えるのであれば、さらなる分散、複利効果が期待できます。お客様の不安を解消するためにも一役買えるよう積極的に提案を行っていきましょう。

<過去問題の演習>

3級・2級受験者、いずれも解いてみてください。

次の問題に答えなさい。○✕問題

【問題1】

個人が同一年中に複数回にわたって贈与を受けた場合、同年分の当該個人の暦年課税に係る贈与税額の計算上、課税価格から控除する基礎控除額は、受贈者1人当たり最高で110万円である。

<解答> ○

贈与を受けた金額全部を合計して110万円までであれば贈与税はかかりません。

【問題2】

相続人が被相続人の配偶者と弟の合計2人である場合、配偶者および弟の法定相続分は、それぞれ2分の1である。

<解答> ✕

本問の場合、配偶者が3/4、弟は1/4の法定相続分となります。

いかがでしたでしょうか?

それではまた次回、お楽しみに★