ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

金融資産運用の考え方(1)

25日の試験を受検された方、出来はいかがでしたか。
問題と解答が発表されましたら、解説を行いたいと思いますが、発表は
少し先になりますので、それまでの間、今、みなさんが最も関心をお持ち
だと思われる、金融資産運用のお話をしようと思います。

昨年最後のブログでもお話ししましたように、現在は100年に一度とも
言われる(「歴史上初めて」という人もいます)世界的金融・経済危機の中にあります。
昨年1年で、資産を運用していた人の大半が、大きな損失を被っています。
そんな中、一番損をしなかった、つまり結果的に儲かったのは、資金を
すべて預貯金に預けていた人だと言われています。

しかし、だからと言って、「資金をすべて預貯金に預けておくこと」が、常に正解だというわけではありません。
マーケットの変調を察して、運用資金を預貯金に退避させた・・ということであれば、それは大変お見事なことだと思いますが、そうではなくて、
そもそも運用することなどまったく考えず、ただ全資金を預貯金に寝かせておいただけなのであれば、そのようなスタンスは、10年、20年という長期でみたときには、適切に運用をしていた人との間で大きな格差を生じさせることにつながるでしょう。

適切な運用を行っており、かつ、現在が運用期間の途中であるならば、
たとえ現時点で損失(含み損)が生じていても、実はそんなに大きな問題
ではないのです。

運用方法が適切であれば、損失はやがて回復します。
重要なのは、その損失を生じた資産が、ゆっくり回復を待てる資産なのか
ということと、その生じた損失の大きさが、その資産にとって許容できる
レベルなのかということです。

金融資産運用にとって最も重要なのは、この「時間」と「リスク許容度」の
2点です。
FPにとっての金融資産運用設計とは、「ライフプランを実現するための
手段」という大前提に立った上で、この2点を踏まえて、適切な運用法を
考えることなのです。

では、適切な運用法とはどういうものなのでしょう。
次回から、じっくりお話ししていくことにします。