ファイナンシャルプランナースペシャリストによるこっそり裏講義

前回から、金融資産運用についてお話を始めました。
そして、まず「適切な運用法」とはどういうものなのか・・・ということを
テーマとして取り上げました。

適切な運用法とは、一言で言えば「分散投資(資産の分散)」ということに
なります。
(だからといって、これは決して集中投資を否定するものではありません。この点は、いずれあらためてご説明したいと思います。)
一口に分散と言っても、投資対象の分散(資産の分散)のほか、運用期間の分散、投資時期の分散、時間分散など、分散には様々な方法があります。
このうち、投資対象の分散によって、種類の異なる複数の金融商品その他の資産を保有したときの、その資産の組み合わせをポートフォリオと言います。

昨年最後のブログでは、この度の世界的金融危機においては、世界中の株・債券・不動産が一斉に下落したため、分散投資によるリスク低減効果も発揮されなかったと書きましたが、これは、正確には「資産の減少を食い止めることはできなかった」ということであって、その減少の程度という点を考えたときには、やはり分散投資の効果はあったと言うことができます。

たとえば、投資信託によって株と債券に投資していた場合、単一のマーケットだけに投資していたとすると、この1年間で、日本株ファンドは約50%、東欧株ファンドは80%以上も下落しています。
しかし、世界中の株と債券にバランスよく投資していたならば、その下落率は30%程度に止まっています。
また、今後の回復という点を考えたときには、単一のマーケットでは、回復までに恐ろしく時間がかかるという場合もあるでしょう。
たとえばロシアの株価指数(RTS指数)は、昨年6月に史上最高値の約2500ポイントを付けた後、500ポイントまで下落しています。市況はいつか回復するとしても、果たして下落前の水準まで戻るかどうかはわかりません。
その点、世界中の株・債券市場に分散投資をしていれば、平均的な回復速度が見込めるとともに、長期的には下落前の水準を超えていく可能性も高いと考えられます。

このように、株や債券といった有価証券だけのポートフォリオにおいても、分散投資の効果は確実にあると言えます。
しかし、ただそれだけでは、この1年の資産の減少を止められなかったのも事実です。
実は、投資対象の中には、この1年間においても、あまり値下がりしていないものや、収益を上げているものもあるのです。
昨年からの金融危機の中で、あらためて認識されたことは、分散投資の重要性とともに、「分散投資の対象は、有価証券だけでは足りない」ということでした。
この点は、また次回、詳しくお話ししましょう。



伊藤 亮太

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