ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

金融資産運用の考え方(3)

昨年来の世界的金融危機においては、株、商品(コモデティ)、不動産など、
世界中のすべての市場が下落し、「資産デフレ」とも言われるように、個人や
法人の保有資産が大きく目減りしました。
しかし、そんな中でも、下落していないマーケットや、変わりなく収益を
上げている投資対象もあります。

そのひとつが「金」(金市場)です。
金も、一時は金融危機の影響を受け、金の国際価格(米ドル建て)は、昨年
3月の1,0111ドルから、10月には712ドルまで値下がりしました。
しかし、その後は株式など他の市場からの資金流入もあって、2009年2月5日時点では、920ドルまで回復しています。
この時点での高値からの下落率は、9%に止まります。

国内価格の方は、2008年7月の3,500円から10月に2,319円まで下落した後、2009年2月6日時点で2,828円まで回復しました。
この時点での高値からの下落率は20%となりますが、国内価格は為替相場の
影響を受けるため、ここには円高によるマイナス分も含まれています。

金価格は、今後も堅調に推移するとみられており、また、為替がいずれ円安方向に動けば、国内価格の上昇スピードも早まることが予想されます。

もともと、金は株式市場との相関性が低い、つまり値動きが連動しない(相反する)という性質を持っています。
ですから、運用ポートフォリオの中に、株式と合わせて金も保有していれば、
ポートフォリオ全体としての目減りは、かなり緩和されたことになるでしょう。