ファイナンシャルプランナースペシャリストによるこっそり裏講義

前回は、昨年来の世界的金融・経済危機の中にあっても、収益を上げている投資対象も
あると述べましたが、さて、それは一体何でしょう?

たとえば、不動産投資信託(J-REIT)の投資口価格(株価のようなもの)は、金融危機に
伴う資金の逃避によって、株式市場に歩調を合わせて急落し、東証REIT指数(J-REIT
全銘柄の価格の加重平均値)は、昨年1年間で約1/2の水準にまで下落しました。
J-REITの中には、資金繰りに行き詰まって破綻する銘柄まで現れてしまい、それが
J-REIT市場の下落に一層拍車をかけました。
ちなみに、J-REITは、当初は株式より値動きが穏やかで、株式との相関性が低いと
考えられていましたが、実際には、J-REITの投資口価格は株式市場も含めた金融市場
全体の資金の流れに影響を受け、株式以上に価格変動が大きく、値動きもほぼ株式に
連動するようになってしまっています。

しかし、J-REITの投資口価格は下落しても、分配金の水準は下がっていません。
不動産市況は悪化していますが、賃貸事業については、まだ大きな影響は出ておらず、
不動産を保有して賃貸しているJ-REITは、安定的な収益と分配を続けています。
その結果、J-REITの利回りは、東証REIT指数が最安値を付けた昨年10月28日時点
では、57.21%を筆頭に、30%以上の銘柄が4、20%以上の銘柄が17、平均で9.18%
という、とんでもなく高い利回りとなりました。
利回りが高くなったと言っても、それは、あくまでもその時の価格で買った場合の
話ですが、このことは、J-REITの分配金は投資口価格に左右されないということを
示しています。

金融資産運用というテーマからは少しはずれてしまいますが、そもそも、J-REITの
投資対象である不動産という資産は、価格が上下したからといって、それに伴って
賃料収入が増減するわけではありません。(逆に、賃料収入が増減すれば、それが価格に
反映されます。)
この点は、ワンルームマンション等の現物不動産投資を考えれば、より明らかです。

現在は、不動産価格も下落していますが、もともとJ-REITを含む不動産やへの投資は、
キャピタルゲイン(売却益)ではなく、インカムゲイン(利息、配当、分配金など)を
目的とするのが本来のあり方です。
株式のようにキャピタルゲインを目的とする投資対象は、値上がりしてくれなければ
利益が得られませんが、インカムゲインを目的とする投資対象は、たとえどんなに
値下がりしていようとも、保有し続ける限り、収益を得ることができるのです。

ポートフォリオの中に、このように安定的なインカムゲインの得られる資産を保有して
いれば、他の資産の損失を補填することにもなるでしょう。



伊藤 亮太

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