ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

2008年中の改正事項(4)

相続事業承継の分野では、2008年に大きな法改正がありました。
それは、2008年10月1日に、「中小企業における経営の承継の円滑化に関する
法律(中小企業経営承継円滑化法)」が施行されたことです。

この法律は、文字どおり、中小企業の事業承継が円滑に進められるようにする
ための総合的支援策の基礎となるものです。
この法律によって創設された支援策には、①遺留分に関する民法の特例、
②金融支援、③相続税の課税の特例、という3つの柱があります。

このうち、①遺留分に関する民法の特例に関する規定は、今年の3月1日から
施行され、③相続税の課税の特例は、今年度(平成21年度)の税制改正により
創設されました。したがって、いずれも5月試験の出題範囲ではありません。

残るひとつの「②金融支援」とは、中小企業の経営者が死亡したことに伴って、
その企業または後継者に、相続税の納税資金、他の相続人等からの株式や事業用
資産の買取り資金、信用力が低下した際の運転資金などの資金需要が発生した
場合に、経済産業大臣の認定を受けることで、その資金調達を支援する制度を
設けたものです。

この法律は、10月1日という、法令適用基準日ぎりぎりの施行ですから、
さすがに5月試験で出題される可能性は低いと思いますが、仮に出題された
としても、上記の内容だけ押さえておけば、試験対策としては十分でしょう。

なお、この中小企業経営承継円滑化法については、9月試験対策のために、
次回から全体の詳しい内容を解説していくことにします。

さて、5月の2級FP技能検定試験が、いよいよ目前に迫りました。
受検される皆さんは、当日まで、体調管理には十分に気を付けて、頑張って
勉強を続けてください。
また、試験当日は、絶対に計算機や身分証明証を忘れないよう注意しましょう。

ところで、現在、新型インフルエンザの国内感染の拡大が懸念されています。
FP技能検定試験についても、中止される可能性がないとは言えません。
試験前日には、FP協会のHP(http://www.jafp.or.jp/)で、必ず試験実施の
可否を確認してください。

では、5月試験を受検する皆さんの合格を祈っています。