ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

中小企業経営承継円滑化法(2)

中小企業経営承継円滑化法の2本目の柱は、金融支援措置です。
これは、すでに昨年10月1日時点で施行されていたもので、
5月試験対策用のブログでも簡単に触れましたが、ここであらためて
詳しく解説します。

中小企業の経営者が死亡すると、事業を継続していくため、その企業
または後継者に、多額の資金が必要となる場合があります。
そこで、中小企業経営承継円滑化法では、その資金を借入れによって
調達する場合の支援措置を設けました。

中小企業の経営者が死亡したことに伴って、その企業または後継者に、
相続税の納税資金、他の相続人等からの株式や事業用資産の買取り資金、
信用力が低下した際の運転資金 などの資金需要が発生した場合には、
そのことについて経済産業大臣の認定を受けることを要件として、
次の特例により、その資金調達を支援します。

①中小企業信用保険法の特例
 これは、信用保証協会の債務保証枠を拡大するというもので、
適用対象は中小企業者(会社または個人事業主)です。
②株式会社日本政策金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の特例
 日本政策金融公庫・沖縄振興開発金融公庫は、本来、個人向けには
融資をしないところを、特例により後継者個人が融資を受けられる
ようにするもので、対象は中小企業者の代表者(後継者)です。

いずれの場合も、融資を受けた資金の使途は、経済産業大臣の認定を
受けた用途に限られます。

支援と言っても、借入ですから、いずれは返さなければなりません。
それでも、中小企業者にとっては、融資を受けられるだけでも助かる
というのが実状なのでしょう。

では、次回は、最後の柱(相続税の課税の特例)について解説します。