ファイナンシャルプランナースペシャリストによるこっそり裏講義

今回からは、中小企業経営承継円滑化法以外の、昨年10月2日から今年の4月1日までの間の改正事項を取り上げていくこととします。
改正事項の中で最もボリュームがあるのは、なんと言っても税制改正ですが、この分野の話を始めると長くなりますので、税制改正の話題はひとまず後回しにして、先に税制以外の分野の改正事項を見ていくことにします。

まず、新年早々、金融資産運用も分野で非常に大きなトピックとなったのが、株券電子化(株式のパーパーレス化)です。
今年の1月5日から、上場会社の株券はすべて電子化されて、紙の株券というものは廃止されました。現存する株券は、すべて紙くずと同じになったのです。

株券電子化により、株主の権利は、証券会社等の金融機関の口座で電子的に管理されるようになりました。これはつまり、誰が現在の株主なのかが、口座の記録で管理されるということです。
株式を購入した後、配当や株主優待特典などの株主の権利を享受するためには、その株式について名義書換が必要となります。
名義書換とは、株式の発行会社の株主名簿に株主として登録されることを意味します。名義書換を行うためには、従来は、取得した株券を呈示して発行会社に名義書換を請求するか、あるいは株券を証券保管振替機構に預託し、保管振替制度(ほふり)を利用して会社の実質株主名簿に登録してもらうか、どちらかの方法による必要がありました。

株券の電子化により、こうした名義書換のための手続は不要となりました。株式の売買によって株主が変わったことが金融機関の口座に記録されると、そのデータが証券保管振替機構を経由して発行会社に通知され、発行会社の株主名簿が書き換えられることになります。これを、株式等振替制度といいます。

株券の電子化に伴い、従来の保管振替制度は廃止され、すべての株式が株式等振替制度に移行しましたが、株券電子化の実施前に、従来の保管振替制度を利用して株券を証券保管振替機構に預託していた場合には、株券電子化への移行に際して、特段の手続きは不要です。

一方、株券電子化の実施時点で、株券を手元に保有している場合には、その時点の株主名簿上の名義人の名前で、株式の発行会社により「特別口座」が開設されています。ただし、特別口座では株式の売却はできませんので、株式を売却するためには、証券会社に口座を開設し、特別口座から株式の振替手続を行う必要があります。
以上は、株式の名義買換えが済んでいる場合の話ですが、保有している株式について、名義書換が済んでいない場合には、まず特別口座の名義を変更するため、非常に面倒な手続が必要となります。

株券電子化については、1月の試験で早くも出題されていますので、確実に理解しておきましょう。



伊藤 亮太

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