ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

預金者や投資家は金融庁によって守られている

皆さん、こんにちは。
フォ-サイトFP専任講師の伊藤です。

本日は、預金者保護、投資者保護について解説します。

■金融機能安定、金融の円滑化を図る役割を担う
金融庁は、金融におけるルールをつくり、金融の円滑化および金融機能の安定を図る役割を担います。金融政策により景気の調整を図るのは日本銀行でした。金融庁は金融がスムーズに行われるための土台作りを任されています。

金融庁では、大きく4つの業務が行われています。1つ目が金融機関の検査です。私たちが普段、安心して預金ができる、投資ができる、保険に加入できるようにするために、銀行や証券会社、保険会社などに対して検査を行い、健全性の検証や不正行為が行われていないかどうかを指導、監督しています。

2つ目が証券市場の監視、監督です。具体的には証券取引等監視委員会が行っています。株価を吊り上げ不当な利益を得ようとする行為などを取り締まるほか、インサイダー情報をもとに売買する行為がないかどうかを監視する役割を担っています。また、上場企業が粉飾決算を行うなど投資家の信頼を損なうようなことがないかどうかを監視する役割も担います。こうした不正を取り締まることで、市場が健全に機能する状況をつくりだしています。

3つ目に公認会計士に対する監査です。日本公認会計士協会がまとめた報告書を審査し、公認会計士が担当する企業において不正行為がないかどうかを監視しています。

こうした検査、監査、監督の他に、そもそものルール作りを行っています。4つ目として金融のセーフティネット構築を挙げておきます。例えば、預金保険制度では、銀行など金融機関が破綻した場合でも預金者の預金が一定の範囲守られる仕組みとなっています。同じ金融機関に預けてある普通預金や定期預金などを合算して元本1,000万円とその利息は保護されます。投資者保護基金では、証券会社が破綻した際に投資家の資産が返還されないといった場合に備えた措置が設けられています。万が一の場合には、一人当たり上限1,000万円まで補償されます。この他、生命保険会社が破綻した場合に備え生命保険契約者保護機構が、損害保険会社が破綻した場合に備え損害保険契約者保護機構が設置されています。

<過去問題の演習>
3級・2級受験者、いずれも解いてみてください。

次の問題に答えなさい。○✕問題

【問題1】
老齢厚生年金の繰下げ支給の申出は、老齢基礎年金の繰下げ支給の申出と同時に行わなければならない。

<解答> ✕
繰り下げは片方のみもOKです。一方、繰上げは両方同時に行う必要があります。

【問題2】
遺族基礎年金を受給することができる遺族は、国民年金の被保険者等の死亡の当時、その者によって生計を維持され、かつ、所定の要件を満たす「子のある配偶者」または「子」である。

<解答> ○
遺族基礎年金は、子のある配偶者もしくは子どもがいることが要件です。年齢等要件を満たす必要があります。

いかがでしたでしょうか?

それではまた次回、お楽しみに★