ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

日本の金庫番と経理を担う財務省

皆さん、こんにちは。
フォーサイトFP専任講師の伊藤です。

本日は、財務省の役割について解説したいと思います。

■国の予算編成が最も重要な仕事である
財務省は、日本のお金にまつわる仕事を行う、いわば金庫番と経理の役割を担っています。その中でも最も重要な仕事といえるのが、国の予算編成です。例年、6月から7月にかけて各省庁において必要となる予算を要求する概算要求の準備が行われます。そして、8月下旬頃に具体的に必要となる数字が入った概算要求を各省庁が財務省に提出します。

その後財務省が各省庁にヒアリングを行い本当に必要な予算かどうかを確認します。12月中旬には財務原案が示され、閣議に提出されます。様々な交渉が行われ、閣議で最終決定すると、年明けの通常国会にて衆参両院の議決を経て次年度の国の予算が決定されます。国の予算は国全体の経済活動が円滑に回るような配分となるように構成されます。

財務省は、国の予算の原資となる税制度の立案と企画、国債の管理も行っています。毎年度の税制改正は、その後の税制度の変更を伴うものであり、将来の日本の経済にも大きな影響を与えるものです。効率的な予算の原資を確保できるようにしつつ、その時々の社会状況を踏まえ、様々な課題を解決するために税制改正は行われています。この他、できるかぎり財政負担の軽減を図りながら、国債の発行、消化をするため、国債管理政策も行っています。

国の予算というとどうしても国内に目が行きがちです。実は国際的な予算の枠組みを決めることも財務省は行っています。ODAの予算の枠組みを決めているのです。ODAとは、政府開発援助のことであり、開発途上国への資金の贈与や貸付、技術提供などを行う支援策です。かつて日本のODAは世界第1位でしたが、財政事情が厳しいこともあり、2018年実績で世界第4位となっています。

この他、世界の国々と強調しながら為替レートの安定に努めるほか、貿易ルール、関税ルールの策定、密輸入を取り締まる役割も担っています。金融機能の安定は主に金融庁の役割、国の予算などお金の管理全般は財務省が担うことで財政と金融の健全化が図られています。

<過去問題の演習>
3級・2級受験者、いずれも解いてみてください。

次の問題に答えなさい。○✕問題

【問題1】
生命保険契約において、契約者(=保険料負担者)が夫、被保険者が妻、死亡保険金受取人が子である場合、被保険者の死亡により死亡保険金受取人が受け取る死亡保険金は、相続税の課税対象となる。

<解答> ✕
契約者、被保険者、死亡保険金受取人全員が異なる場合の、死亡保険金受取人が受け取る保険金は、贈与税の課税対象となります。

【問題2】
国内旅行傷害保険では、一般に、国内旅行中にかかった細菌性食中毒は補償の対象とならない。

<解答> ✕
国内旅行保険は、国内旅行中のケガや病気はもちろんのこと、細菌性食中毒も補償の対象となります。

いかがでしたでしょうか?

それではまた次回、お楽しみに★