ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

日本の株式市況について考える①

皆さん、こんにちは。
フォーサイトFP専任講師の伊藤です。

本日は、昨今の日本の株式市況について2回に分けて考えていきたいと思います。

米国のインフレに伴う利上げが、世界の株式市場を震撼させています。この余波は、日本の株式市場にも影響を与え、日経平均株価は2022年6月17日終値で25,963円と26,000円を下回るような状況も見受けられました。とはいえ、ニューヨークダウなどと比較すれば、下落率は日本の方が緩やかとなっています。一体なぜでしょうか?そして、今後の日本企業の株価を確認する際のキーワードとして「配当利回り」が挙げられます。一体なぜいま配当利回りなのでしょう?

■他国に比べて日本は期待できる需要がある
まず、日本では他国と比べて期待できる側面がいくつかある点を確認しておきましょう。

1つめが、コロナ感染者数が減少していること。2022年6月現在、東京をはじめ大都市圏でも感染者数は減少傾向にあります。
この結果、外出する人も増え、消費などの増加に寄与していると考えられます。

2つめが、これからインバウンド需要が期待できること。他国に比べて門を閉ざしている日本ですが、ようやくインバウンドについても動きが出始めてきています。今後数千人、数万人規模で日々インバウンドを受入れるという形ができてくると、当然ながら観光地を軸に消費が活性化され、今まで苦労してきた観光業・宿泊業も収益が向上していく期待が高まっています。日本人、外国人双方の旅行需要が期待できるわけです。

3つめに、米国の利上げに伴うドル高円安が日本の輸出企業を中心にメリットとなっている可能性が高いこと。1米ドル=115~125円程度を想定している日本企業も多くあり、結果為替差益による恩恵を受ける可能性があります。この円安は、インバウンドでも消費増大効果を引き起こす可能性があります。外国人から見れば円安による恩恵は絶大なものとなりましょう。言い方を変えれば日本は安いと判断されるものの、彼らの消費がさらに拡大し、その結果、国内経済は活性化する可能性があります。

このように、他国と比較しても、日本経済にとってメリットとなりうる状況があり、これらを加味すると日本株式はそう悲観的になる必要もないのではないかと考えます。

続きは次週にて。

<過去問題の演習>
3級・2級受験者、いずれも解いてみてください。

次の問題に答えなさい。○×問題

【問題1】
異なる2資産からなるポートフォリオにおいて、2資産間の相関係数が-1である場合、分散投資によるリスクの低減効果は、最小となる。

<解答> ×
相関係数が-1の場合、2資産間の分散投資によるリスク低減効果は最大となります。

【問題2】
つみたてNISAを利用して購入した公募株式投資信託は、非課税期間が終了するまで売却することができない。

<解答> ×
つみたてNISAも一般NISAも非課税期間内に売却することは可能です。

いかがでしたでしょうか?

それではまた次回、お楽しみに★