ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ
1990年代末に始まった金融ビックバン

皆さん、こんにちは。
フォーサイトFP専任講師の伊藤です。

今回は、過去を振り返る回にしたいと思います。

■金融制度改革から始まった
 金融ビッグバンとは、1990年代末から始まった日本の大規模な金融制度改革です。ビッグバンは、もともとイギリスのサッチャー政権時代に行われた証券制度改革に基づいたものであり、区分けするために日本版ビッグバンといわれることもあります。
金融ビッグバンでは、大きく2つのことを行いました。1つは金融制度改革による金融市場の開放、もう1つは日本の金融市場を国際化することです。自由、公正、国際化。この3つの原則に基づき、改革が行われます。
 まず、外為法の改正です。これにより、今では当たり前となっている外貨取引が自由に行えるようになりました。自由に取引ができるようになったことで、外貨預金やFXといった金融商品が登場します。
 次に、業種ごとの棲み分けの撤廃です。それまでは、銀行と証券、生命保険会社と損害保険会社で取り扱う商品は棲み分けられ異なっていました。それが棲み分け撤廃により、銀行でも投資信託や保険の販売ができるようになりました。同様に、証券会社でも保険販売ができるなど自由化が進みます。株式売買手数料も自由化され、ネット証券の台頭により手数料の引き下げが大きく進みました。中小の証券会社の倒産も生じました。

■外資系の参入が進んだ
 もう一つ、外資系企業の日本参入が進んだ点も忘れてはなりません。世界基準の取引ができるようになったことで、外資系の参入も進み、新しい金融商品の普及の他、競争が進みます。これにより、生き残りをかけた金融業界の再編も進みました。護送船団方式は崩壊し、北海道拓殖銀行の破綻なども発生しました。みずほ銀行、三井住友銀行、UFJ銀行(現三菱UFJ銀行)といったメガバンクが誕生したのもこの頃からです。
 金融ビッグバンは良し悪しありますが、私たち消費者の金融の選択肢を増やしたのは事実です。株式売買などの手数料も下がり、資産運用を身近なものへと変えていったのです。

<過去問題の演習>
3級・2級受験者、いずれも解いてみてください。

次の問題に答えなさい。

【問題1】
基本手当の受給期間中に、妊娠、出産、育児、病気等により、引き続き30日以上職業に就くことができない場合、最長3年まで受給期間を延長することができる。

<解答>×
不適切。基本手当の受給期間中に、妊娠、出産、育児、病気等により、引き続き30日以上職業に就くことができない場合、最長4年まで受給期間を延長することができます。

いかがでしたでしょうか?
それではまた次回、お楽しみに★