ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ
いろいろな投資信託を紹介してもらったが、結局はどんな基準で選べばいいの?②

皆さん、こんにちは。フォーサイトFP専任講師伊藤です。

前回の内容の続きです。定年前後のお客様の投資信託の選び方について話をしたいと思います。

■運用したい理由をもとに探る
そもそもなぜ運用したいと思ったのか。大前提の話にはなりますが、この理由により運用対象が異なってくることも忘れてはなりません。お客様によって、その理由は様々です。

老後資金が足りないかもと思い運用で増やそうと考えた。このようなお客様には、果たして運用することが良いのかどうかそもそもどういう状況なのか検証した方がよいでしょう。場合によっては運用せず、現預金はそのままに。そして定年後も働く選択肢を取った方がよい場合もあります。お客様の考え方を尊重しつつも、今ある資金をどれぐらいで運用していくことができれば老後資金は安泰かなど試算してみましょう。難しい場合は運用だけでは率直に難しいといえることも必要です。

NISAなど公的な制度を利用したいから。こうした理由であれば、運用できる金額も限られているため、無理のない範囲で運用設計の提案を行ってみましょう。外国債券投信やREIT投信による積立てが無難です。もちろん、余裕資金であればこの中に株式投信も組み込み、毎月1万円ずつ投資していくといったケースは検討できます。少しでも安定的に増やしていきたいのであれば、積立投信が無難です。そしてお客様にも運用を楽しんでもらうことが大切です。

■タイミングを見て運用を行いたい
今なら何で運用するのがよいか?投資先がわからないものの投資したい。こうしたニーズは多いことでしょう。中には継続して運用するのではなく、タイミングを見て短期売買による利益を得たいというお客様もいることでしょう。

このような場合には、その時々の情勢に基づき提案を行う必要があります。例えば、コロナ禍の状況が悪化し、株価が低迷気味にある場合には、今のうちに株式投信を購入しておくことで短期的な利益を得ることができるかもしれません。今までの動きも安定しているときは株価も落ち着いていましたよね?などとお声がけすると良いでしょう。

米国の利上げが気になる。この場合には、利上げは本来は株価にマイナスなものの、過去を振り返ってみると利上げと同時に株価も上昇する現象が起きている。円安にもなりやすくなっている。そのため、米国株式投信はどうか?と提案も可能です。タイミングを見て即座に提案できるようFPとして研鑽を積んでいただきたいと思います。

<過去問題の演習>
3級・2級受験者、いずれも解いてみてください。

次の問題に答えなさい。○✕問題

【問題1】
常時使用する従業員数が20人以下の卸売業を営む個人事業主は、小規模企業共済に加入することができる。

<解答> ✕
商業(卸売業・小売業)、サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)を営む場合は、常時使用する従業員の数が5人以下の個人事業主または会社等の役員が小規模企業共済に加入することができます。

【問題2】
国民年金基金の給付には、老齢年金、遺族一時金、障害一時金がある。

<解答> ✕
国民年金基金の給付は、老齢年金と遺族一時金の2つです。障害一時金はありません。

いかがでしたでしょうか?

それではまた次回、お楽しみに★