行政書士のスペシャリストによるこっそり裏講義

皆さんこんにちは。フォーサイト専任講師の福澤です。

学習の調子はどうですか? 順調と言う方はその調子で頑張ってください。
11月の試験まで、あと5ヶ月を切りました。
いまひとつと言う方は、そろそろ調子を上げていきましょう!

今回は、相続法改正のお話です。

令和元年の行政書士試験には関係がありませんが、今年の7月1日より、改正された相続法の一部が施行されます。
前にも、どこかで書いたかもしれませんが、今回は、その中から「遺産分割前の預貯金制度の見直し」について書きたいと思います。

そもそも改正前においては、生活費や葬儀費用の支払、相続債務の弁済など、お金が必要になった場合でも、相続人は遺産分割が終了するまでは被相続人の預貯金の払戻しができないという問題がありました。
銀行は、被相続人の死亡により、銀行口座を凍結し、相続人全員の有効な意思表示がないと、預貯金を引き出させないこととしていたからです。
しかし、この対応は、非常に多くの問題がありました。
先にもありますが、相続人からすると、葬儀費用の支払、相続債務の弁済など、被相続人のために臨時にお金が必要でも、銀行が壁となって自由に被相続人の預貯金を使用できないからです。
なお、最高裁判例も、この銀行の実務に追随し、平成28年には、分割協議前には銀行預金には手を付けることができないという考え方を採用しました。

今回の改正では、このような問題を解消するために、遺産分割前にも預貯金債権のうち一定額については、家庭裁判所の判断を経ずに金融機関で払戻しができるようにしました。

もう少し詳しく書くと、各共同相続人は、遺産に属する預貯金債権のうち相続開始の時の債権額の3分の1に当該共同相続人の法定相続分を乗じた額(金融機関ごとに150万円を限度とする)については、単独でその権利を行使できることになりました。
ですので、例えば、死亡した親の貯金が300万円あり、相続人が子供2人という場合には、300万円の3分の1(つまり100万円)に、法定相続分2分の1を乗じた数となりますので、1人50万円までは払い戻しが可能となります。

この法改正で、少しは実務上の不合理が解消され、相続人の方の不安や負担が軽減されると良いなと思います。

今回は、このへんで。

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福澤繁樹

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