行政書士のスペシャリストによるこっそり裏講義

皆さん、こんにちは!

フォーサイト専任講師・行政書士の福澤繁樹です。

今回は、NHKの受信契約をめぐる訴訟のご紹介をしたいと思います。

これは、2021年(令和3年)2月24日に出された東京高裁の判決です。

報道によると、この訴訟は、受信料制度に批判的な女性が、NHKの放送だけ映らないように加工したテレビを購入し、NHKと受信契約を結ぶ義務がないことの確認を求めた訴訟を提起したという事案です。

第一審では、女性の主張が認められていたようですが、東京高裁は女性の請求を認めた第一審の東京地裁判決を取り消し、請求を棄却したようです。

今回の訴訟では、NHKだけ映らなくさせる仕組みが、これまでのものよりも取り外しにくいことから、NHKが映らないテレビと言いえるのではないか、つまり契約義務がないのではないかが争点となったようです。

第一審の東京地裁では、この点を評価し、女性が設置したテレビはNHKを受信できる設備とは言えないとして、契約締結義務を負わないとの判断を示していました。

しかし、東京高裁は、なお、特別なブースターや工具を使用することでNHKの放送を受信する可能性があることや、元に戻せる可能性がある場合には契約締結義務があると判断しました。

この訴訟において、私が感じたのは、そもそもの目的は、NHKの受信料制度の合憲性を問うことではないか、という点です。

ちなみに、この点については、最高裁が2017年(平成29年)12月6日の大法廷判決で、合憲と判断しています。

つまり、司法判断としては、現時点では、NHKの受信料制度を正面から否定することはできないというのが原則だと思います。

最高裁が、NHKの受信料制度を合憲であると判断している以上、司法全体としては、受信しない装置を取り付けたテレビを、いわば「脱法」と位置付けることになるべきことは、想像に難くないといえます。

個人的には、後は立法的に解決をするしかないのではないかと思います。すなわち、放送法の改正しかないと思います。

現時点で指摘されている、NHKの問題点は、数多くあります。

今回のような訴訟のニュースを聞くだけだと、単に「ああ、受信料を払いたくない人がいるんだなぁ」くらいの感想しか抱けない場合もあろうかと思います。

しかし、問題の本質は、NHKの公共放送としての役割の再確認し提供しているコンテンツを見直すこと、受信料金の適正化(職員などの給与や経費の適正化)を検討することだと思います。

これらも含めて、放送法の改正を検討する時期ではないかと思いますし、当然のことながら、このような改革は、司法ではなしえないものであり、ここは立法権者である国会議員の出番だと思います。

みなさんは、どのように考えますか?

今回は、このへんで。



福澤繁樹

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