行政書士講座の講師ブログ

民事の差押え

直接には出題対象とはならないことが多いですが、民法の問題の記載の中に「差押え」という文言が出てくることがあります(行政法とは違いますのでご注意)。
そこで、今回は、この「差押え」の意味を簡単に説明したいと思います。

そもそも、差押えとは、「国家権力によって、特定の物または権利について私人の処分を禁止する行為」を指します。
そして、大きく分けて、民事、行政、刑事の三種類があります。

まず、民事は、民事執行法上の定めです。これは、債権者の権利の実現のために、国の執行機関が債務者の財産の事実上・法律上の処分を禁止する行為を言います。

次に、行政法上は、国税滞納処分の一つとして、滞納者の財産を強制的に取得することを言います。

最後に、刑事ですが、これは刑事訴訟法上の押収の一種類です。つまり、証拠物または没収すべきものを裁判所が強制的に取得する裁判、執行を指します。

行政書士試験の勉強で出てくるのは、民事の差押えです。
問題文などに、「AのBに対する債権を、Cが差し押さえた」というような記述が出てきたりします。
これは、要するに、強制執行をする前段階として、Aの債権の処分を禁止したという意味になります。

試験で直接問われることは無いと思いますが、問題文をより理解する上では、覚えておいても良いかもしれません。