行政書士講座の講師ブログ

根抵当権

今回は、少し趣向を変えて、誌上講義です。根抵当権の概要を紹介します。

根抵当権とは、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するために設定する抵当権を根抵当権といいます(398の2)。
たとえば、小売商店Aが、問屋Bから継続的に供給を受ける甲商品の代金債務を1000万円の限度で担保するため、自己の建物に抵当権を設定する場合などがあります。
通常の抵当権は、特定の債権を担保するときにしか設定できないのですが、継続的に取引をしていると、頻繁に借入や返済が発生します。

そのような場合に、そのつど抵当権を設定しなければならないというのは、不便です。

そこで、一定の範囲に属する不特定の債権を担保するために認められたのが、根抵当権というわけです。

根抵当権は、根抵当権者と設定当事者の合意により成立します(普通抵当権と同じ)。

根抵当権の設定契約には、必ず被担保債権の範囲及び極度額を定めなくてはならないこととされています。根抵当権の対抗要件は登記です。

根抵当権の確定とは、根抵当権によって担保される元本債権が定まることをいいます。確定により、根抵当権者が優先弁済権をもつ元本が確定します。

これによって、普通抵当権を同じような機能に戻ります。