行政書士のスペシャリストによるこっそり裏講義

みなさん、こんにちは。
フォーサイト専任講師の福澤です。

学習の進み具合はいかがですか?
順調な方は、その調子で!
いまひとつ・・・という方も、まだまだ挽回できます。気合を入れなおしていきましょう!

今回は、質問の多い、自己物の時効取得について解説します。

2016年対策テキストの民法03A、P94に記載がある判例の話です(最判昭42.7.21)。

これは、最初にAからBが土地を購入し、Bが引き渡しを受けたものの、
登記を得ていない場合に、AがさらにCに対して土地を売却して登記を移転したというものです。

ここで関連する「取得時効と登記」という話が、
そのテキストのP112から掲載されている関係で、少し理解が難しくなっているのだと思います。

まず、自己物の時効取得を理解するためには、P113の上部に記載されている、
「時効完成前に原所有者から目的物を承継した者と時効取得者」という項目を理解しておくと良いでしょう。

すなわち、時効完成前に、原所有者から売買などにより目的物を譲り受けた者については、
時効完成前の承継人は、取得時効完成時には、原所有者と同様に現在の所有者として当事者という地位にあります。

そして、P112の最下段に記載がある通り、判例は、占有開始当初からの所有者との関係については、
原権利者は物権変動の当事者であり、時効取得者は原権利者との関係では当事者にほかなりませんから、
登記無くして時効取得を主張できるとしています(大判大7.3.2)。

従って、時効完成前に、原所有者から売買などにより目的物を譲り受けた者についても、
取得時効を主張するについて登記は必要ないことになります。

この理を自己物の時効取得の場合に当てはめると、BCの関係においては登記を有するCが優先し、
Cが所有者となりますが、その後に、Bは当該土地を10年間占有して時効取得すると考えることで、
あたかもBCの関係は、Cが原所有者、Bが時効取得者となり、
その結果、BはCに対して登記なくして、自己の取得時効を主張できるということになるのです。

ポイントは、自分で買ったものを、自分が時効取得するという、ちょっと違和感がある部分を理解することです。

今回は、以上です。



福澤繁樹

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