行政書士講座の講師ブログ

行政書士の実務から

皆さん、こんにちは!
フォーサイト専任講師・行政書士の福澤繁樹です。

今回は、行政書士の実務から、少し書きたいと思います。

行政書士のメイン業務として名高い「建設業許可」がありますが、この業界も様々な改変の波がやってきています。
最近では、国土交通省が鳴り物入りで導入した「建設キャリアアップシステム」があります。
この「建設キャリアアップシステム」とは、現場で働く技術者の経験を見える化することで、人材を有効活用したり育成したりできるというものです。
詳しいシステムの説明は省略しますが、建設現場にカードリーダーを設置し、その現場に参加する技能者は、現場に入るたびにICカードをカードリーダーにタッチすることで、システムに技能者の就業履歴が蓄積されていくという仕組みです。
これを行うことで、流動的な建設現場での各技術者の経験値を見える化することができ、その人がどのような工事に従事し、どのようなスキルがあるのかが客観的に担保されるということを目指しています。

しかし、このシステムが、運用開始当初から、その見積もりの甘さにより利用者が伸び悩み、その結果、早々に利用料金を大幅に値上げするということになっています。
もちろん、今後の修正により、より使いやすいものに変更していくとは思いますが、最初の制度設計の段階において、このような問題が発生することが明らかにできなかったのかと疑問に思います。

今回は、一例ですが、国の政策と現実があまり合致していないという実感を、行政書士という仕事をしていると痛烈に感じるときがあります。

それも、仕事の醍醐味といえば醍醐味ですが…。

今回は、このへんで。